木製帆船・建築模型等の企画・製造・販売を手掛ける。木製帆船模型メーカーとしては国内唯一。2002年創業。タミヤ、ハセガワなどプラモデルの有名メーカーもかつては木製模型を手掛けており、同社の母体はタミヤなどに部品を収めてきた木の加工会社だった。「木製模型の灯が消えてしまう」と危機感を持った常木則男社長が経営難に陥ったメーカーの事業を引き継いだ。
商品は船舶、城郭、寺社・塔の三本柱。世界遺産の姫路城や豪華客船「飛鳥Ⅱ」、レンガ造りで復元された東京駅など話題性の高い模型キットも投入する。日本郵船やJR東日本に図面提供の交渉に出向き、技術力の高さが認められて商品化にこぎつけた。
素材加工から設計、製造まで一貫して手掛ける強みが商品力の高さにつながる。レーザー加工機でミリ単位の小さな部品まで高精度で仕上げて細部まで表現する技術や、木を長年扱ってきた経験を活かし、約60種類の木材から「屋根に適したしなりのある木」「組み立て数年後にいい色合いになる木」を選べるノウハウも持っている。いまでは全国各地から、我が町の城や自社を模型にしてほしいとの依頼も多くある。
『日本経済新聞』2015/12/25号。