トランプ、そして府中市議会 ~ 独立と自立の時 | 府中の元気・杉村康之の 「ハッキリYES、ハッキリNO」

府中の元気・杉村康之の 「ハッキリYES、ハッキリNO」

初めて議員になった時、びっくりしたことが3つ
一つは、議会なのに議員同士の議論がないこと
一つは、議会自らが条例をつくらないこと
一つは、審議の前に予算への賛否を聞かれたこと
二元代表制の地方議会では是々非々が筋
だから僕は「ハッキリYes! ハッキリNo!」

新年早々、トランプ次期米国大統領が、

トヨタに生産拠点を米国に戻せと要求した。

 

トランプに対しては、選挙期間中の過激な発言が、実際に政権を担う段階になったら変わるだろうと楽観的に見るむきもあったが、甘くはなかった。TPPからの撤退も確実に実行されるだろう。

 

公約を反故にしてまで、米国のいわれるがままにTPPに血道をあげたアベ政権は梯子をはずされ、大恥をかく。(ご本人に自覚はないかもしれないが)辺野古の基地も、二の舞になるのではないか。美しい海を傷つける前に分別をつけてほしい。少なくとも立ち止まり、出方を見たらよいのにと思う。

 

今回の兵頭氏のブログは、 あらためて

トランプは甘くない、 そして必ずしも

日本にとって悪くない、 という内容だと思う。

 

関心のある方はぜひお読みください。(文末に全文)

兵頭氏はこう言う。

●トランプの米国が「同盟関係や自由貿易合意からは距離を置」いてくれたら、実質的な米国の植民地になっている外国には独立と自立の好機である。

●「中国とロシアが周辺地域で影響力を拡大するのを放置し」てくれたら、露中はもちろんのこと、歓迎する国は少なくない。

●米国が「他国の内政に影響を与えようとする試みの多くを放棄」してくれたら、少なくとも各国の99%は喜ぶだろう。

 

私もそう思う。

日本にとって決して楽ではないが、

「独立と自立の好機である」と。

 

トランプ大統領誕生は日本に大きく影響するだろう。というより、トランプ大統領を誕生させた背景にある、世界的な、歴史的な権力構造の大規模な変動が、今のような日本の軽い政府に影響しない訳がない。否応なく荒波にのまれるが、それは好機でもあろう。

 

そういった大きな流れを踏まえて、ぼくは今こそ、府中市政の課題、市議会の改革に真摯に取り組んでいきたいと思います。すなわち、

●政治とは生活、という視点にとことん立つ

●府中市議会で民主主義を機能させること

とりあえず与党でありたいという甘えではなく、この二つこそ、独立と自立の時代に正に相応しい。

 

今年も全力でぶつかりますので、

心ある市民の皆さんのお力をお貸しください。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

 

以下、ブログを転載

 

メルマガ『兵頭正俊の知らなきゃ滅ぶニュースの真相』

http://bit.ly/n3i2Oc (無料・ほぼ週刊)

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 トランプのオフショアバランシング戦略

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(『兵頭正俊の知らなきゃ滅ぶニュースの真相』は、今年、初めての配信になります。

今年もよろしくお願いします)

トランプ次期米大統領が世界を騒がせている。選挙期間中の、メキシコとの国境に不法移民阻止の壁をメキシコの金で作る、といった奇抜な公約もそうであった。選挙に勝利した後も、奇抜な言動は終わっていない。

ツイッターやユーチューブなどを利用したメッセージの発信もそのひとつだ。これにはタヴィストック人間関係研究所支配下の、連日トランプバッシングを続けている米国大手メディアから悲鳴が出ている。

現代の権力闘争はメディアが主戦場になっている。だからロスチャイルドもロックフェラーも巨大メディアを傘下においている。われらの安倍晋三も日夜大手メディアとの飲食に忙しい。

今は世論調査が、国民の洗脳・誘導手段として駆使されている。メディアのでっち上げの支持率で50%を超えておれば、党内も静かになり、長期政権も可能になる。何とも腐敗した、ばかばかしい政治がまかり通っている。

大手メディアは、ネット情報を「フェイクニュース」(偽情報)と描くのに懸命だ。しかし、EU離脱、米大統領選と、「フェイクニュース」は地上波メディアが意図的計画的にやっているものだ。日本でも小沢一郎や小保方晴子バッシングに見られたように、権力とメディアとは一体化して、既得権益の擁護に仕えている。だまされないようにしなければならない。

どうやらわたしたちは、トランプの任期中、大いに揺すぶられそうだ。

その政治スタイルはとてもユニークだ。

トランプから発信される強烈なメッセージによって、様々な人が、その剥き出しの正体を露出している。

フォード・モーターは、メキシコ工場新設の撤回を発表した。着実にトランプ公約は実行されつつある。ゼネラル・モーターズ(GM)のメキシコ投資も取りやめになる可能性がある。と思っていたら、今度はトヨタである。

トランプは、トヨタ自動車のメキシコ工場新設について、「トヨタ自動車は、米国向けのカローラ車を建設するために、メキシコのバジャに新しい工場を建設すると発表した。工場を米国に建設するか、それとも高い関税を払え」とツイートした。

「Donald J. Trump

Toyota Motor said will build a new plant in Baja, Mexico, to build Corolla cars for U.S. NO WAY! Build plant in U.S. or pay big border tax.」

(引用終わり)

トヨタの豊田章男は、メキシコ工場新設を見直さない考えを示したが、これで済む筈がない。喧嘩を買って出たようなものだ。

トランプへの好悪は別にして、トランプが米国の大統領になった以上、かれの政策は注視しておく必要がある。

トランプの理念、政策の核になるものは何であろうか。一言でいったらそれはオフショアバランシング戦略である。このことは、昨年から、わたしはメルマガやツイッターなどで、何度となく指摘してきた。

最初に指摘したのは、2016年7月4日配信の「オフショアバランシングの東北アジアのターゲット」だった。「オフショアバランシングでは、分担(Burden Sharing)ではなくて、各国に負担を移動 (Burden Shifting)する、負わせるのである。

金だけでなく、血も米国のために流せ。日本を犠牲にしてでも米国は戦争で儲ける。日中戦争を仕掛けるが、米国は引いて、仲裁者として振る舞う。これが差し当たっては日本に適用されるオフショアバランシングである。

わかりやすくいえば、現在、米国の大統領選でトランプが、米軍の駐留費を外国に負担させるとしきりに口走っていることだ」と書いている。

これまで10回、メルマガで指摘し続けてきた。

今回、『Foreign Affairs Report』の新年号で、コレ・シェイクが同じ見方をしている。

コレ・シェイクは、「揺るがされるアメリカの同盟ネットワーク ─ オバマの後退路線からトランプのオフショアバランシングへ」のなかで次のように書いている。

(コレ・シェイクは、米国の外交研究者で、スタンフォード大学フーバー研究所のリサーチフェロー。ペンタゴン、国家安全保障会議、国務省勤務を経て現職)

「選挙キャンペーンの演説から判断する限り、ドナルド・トランプは(中略)(オバマよりは 注 : 兵頭)さらに踏み込んだ後退戦略、オフショアバランシング戦略をとると考えられる。同盟関係や自由貿易合意からは距離を置き、中国とロシアが周辺地域で影響力を拡大するのを放置し、国家建設活動から遠ざかり、他国の内政に影響を与えようとする試みの多くを放棄するだろう。

とはいえ、統治の責任を現実に担う段階になると、(大統領候補時代の主張を和らげて)政策の方向性を見直す大統領は多い。実際、オバマは論議を呼んだブッシュ政権の対テロ政策の一部を最終的には踏襲している。

トランプにイデオロギー的なこだわりはなく、そうすることが現実的であると考えれば、より介入的なアプローチをとる可能性もある」(『Foreign Affairs Report』2017 NO.1)

(引用終わり)

米大統領選中はそれほどでもなかったが、今号(2017年1月号)になってから、『Foreign Affairs Report』のトランプに対する姿勢が厳しくなった。これまではトランプを擁護し、評価する論文もあったのだが、今号はほぼ全面に亘って、トランプ批判である。

ということは、『Foreign Affairs Report』が、世界のトップ層に与える影響力の大きさからして、米国のみならず世界のエスタブリッシュメントは、ほぼトランプ否定に走り出したとみていいのかもしれない。

トランプはたいへんである。ここにトランプの立ち位置のユニークさがある。

世間には、トランプの閣僚の多くが金持ちであることから、それを揶揄したり、否定したりする向きもある。しかし、それは本質的な問題ではない。貧乏か金持ちか、ではなく、政策が1%の側に立つか、99%の側に立つか、である。

トランプの人選を見ていると、過去の行動から間違いなしと踏んだ人物を選んでおり、トランプの政策を忠実に実施する人選をしている。それがたまたま大金持ちだったというわけであり、ここは、「白猫でも黒猫でも鼠を捕る猫は良い猫だ」という?小平ふうの現実論に立っているのであろう。

トランプは、オフショアバランシング戦略をとってくる。

米国のオフショアバランシング戦略の骨子は、

1 欧州、中東から兵力を縮小あるいは撤退し、東アジアに軍事力を残し、集中する

2 米軍の兵力を、陸軍から海空軍重視に転換する

3 米軍の負担を同盟国に分担させるのではなく、負担を負わせる

4 日韓を核武装させる

このうち、どれをトランプが採用してくるか。あるいは部分的にトランプ流にアレンジしてくるか。少なくとも「3 米軍の負担を同盟国に分担させるのではなく、負担を負わせる」というのは、日独に対して要請してくる可能性が高い。

コレ・シェイクは、トランプが「同盟関係や自由貿易合意からは距離を置き、中国とロシアが周辺地域で影響力を拡大するのを放置し、国家建設活動から遠ざかり、他国の内政に影響を与えようとする試みの多くを放棄するだろう」と悲壮感を漂わせて語る。しかし、そのすべては、国によって受け取り方が異なる。また、同じ国でも1%と99%とで受け取り方が違ってくる。

トランプの米国が「同盟関係や自由貿易合意からは距離を置」いてくれたら、実質的な米国の植民地になっている外国には独立と自立の好機である。「中国とロシアが周辺地域で影響力を拡大するのを放置し」てくれたら、露中はもちろんのこと、歓迎する国は少なくない。

米国が「他国の内政に影響を与えようとする試みの多くを放棄」してくれたら、少なくとも各国の99%は喜ぶだろう。

現在、トランプに対しては、選挙期間中の発言が、実際に政権を担う段階になったら変わるのではないかという楽観的な見方がある。

しかし、そうだろうか。冒頭に採り上げたように、トランプは、世界最大の自動車会社トヨタに生産拠点を米国に戻せと要求している。

TPP離脱も有言実行してくるだろう。そうしなければならない理由がトランプにはある。それは選挙公約の多くを実行しなければ、4年後には落選するという現実である。

コレ・シェイクの論文をもう少し読んでみよう。

「トランプが、最近の介入からワシントンが学ぶべき教訓をどうとらえているか、近年のアメリカの経験が新大統領のパワー行使にどのような影響を与えるかを見極めるのは難しい。専門家のなかには、トランプはオバマ以上に全面的にオフショアバランシング、つまり、同盟相手へのバーデンシフティングを進めるのではないかと考える者もいる。

トランプは、アメリカのNATOへのコミットメントを低下させ、より取引を重視した同盟関係へと仕切り直し、一方で、東ヨーロッパとシリアについてはロシアの好きにさせると示唆している。だが、こうしたアプローチの弱点は直ちに明らかになるだろう。

(中略)

(同盟相手に重荷をシフトさせる)オフショアバランシング戦略の支持者たちは、この戦略の方が「リベラルな覇権」戦略よりも費用対効果が高いと主張している。現状では、(例外はあるとはいえ)ワシントンが前方展開軍のコストの多くを負担し、リベラルな秩序を支えるためのコストも負担してきた。

だがオフショアバランシング戦略でも、問題が発生したときには、速やかに対応しなければならないために、大きなコストがかかる。迅速に(脅威に対抗するのに適した)軍事力を編成して投入し、一時的な同盟関係を組織し、共通の戦略を形作るには、かなりのコストと努力が必要になる。

(中略)

彼(トランプ 注 : 兵頭)は選挙キャンペーンで、既存の同盟関係から遠ざかり、(敵の迎撃可能範囲外からの攻撃能力をもつ)スタンドオフ兵器を、ペナルティを課すツールとして行使するのが望ましいと主張した。

要は、戦場には近づかず、長期的な介入を避けるというのが、彼が示した立場だった。しかし、大統領に就任すれば、トランプは、より大きな柔軟性を得るために、自分の考えを別の枠組みのなかで示す方が賢明だと考えるようになるかもしれない」

(引用終わり)

「専門家のなかには、トランプはオバマ以上に全面的にオフショアバランシング、つまり、同盟相手へのバーデンシフティングを進めるのではないかと考える者もいる」というが、わたしはこの専門家たちの意見に賛同するものだ。トランプはビジネスマンであり、根底にある哲学思想は経済的合理主義だ。

世界に、米国に先制攻撃を仕掛けようという国はない。ロシアにしたって、米国が先に仕掛けない限り、第三次世界大戦の戦端を開くことはない。とすれば、米国は本国まで後退して、米国第一、経済第一、雇用第一に邁進した方がいい。

米国にはもう他国の防衛を賄うほどの余裕はなくなっている。

NATOへのコミットメントも低下させる。東ヨーロッパとシリアについても信頼するプーチンに任せる。

このオフショアバランシング戦略の方が、ブッシュやヒラリーたちの「リベラルな覇権」戦略よりも費用対効果が高いのである。

コレ・シェイクは、「オフショアバランシング戦略でも、問題が発生したときには、速やかに対応しなければならないために、大きなコストがかかる」という。これは違うだろう。おそらくトランプのオフショアバランシング戦略では、紛争が発生したときも、米国は他国の問題として介入しないのではないかと思う。

トヨタに米国生産に切り替えろ、という米国第一主義が、膨大な戦費を使って他国のために米軍を送り込むとはとても考えられない。

この冷徹なオフショアバランシングを前にして、われらの安倍は、相変わらず中国敵視論にしがみついている。共謀罪でテロリストをでっち上げ、政権批判を封じる。異様で狂った国の向こうにあるのは、米露中の多極化した時代だ。米国はけっして狂った政権の戦争のために、中国と一戦を交えるようなことはしない。

わたしたちは、今こそ、子どもたちのためにも、この平和を守り抜かなければならない。戦争屋たちが戦争の原因を無理して作っているだけで、戦争しなければならない理由など、日本に何もないのである。