菅さんと久しぶりに会いました | 府中の元気・杉村康之の 「ハッキリYES、ハッキリNO」

府中の元気・杉村康之の 「ハッキリYES、ハッキリNO」

初めて議員になった時、びっくりしたことが3つ
一つは、議会なのに議員同士の議論がないこと
一つは、議会自らが条例をつくらないこと
一つは、審議の前に予算への賛否を聞かれたこと
二元代表制の地方議会では是々非々が筋
だから僕は「ハッキリYes! ハッキリNo!」

先日、菅さんと3時間ばかり飲みながら話しました。


ゆっくり会ったのは財務大臣になって以来だと思います。

これまでは報道を通しての情報しかなかったので
菅さんに対して、かなり批判的にというか、幻滅してみていましたが、
直接話をしてみると、それなりに事情はあったようだし、
全くと言っていいほど悪気はなかったのだなあ、という感想は持ちました。
内容的には私なりに賛否はありますが、きわめて率直に話をしてくれて
やはり直接話すことは大事だ、と思いました。


いろいろ話ましたが、印象に残った話をいくつか書きます。
(私の印象で書いているので、一字一句が正しいわけではありません)


一つは原発のこと。
 一時は福島と同じ放射能汚染が東京まで及ぶ、
つまり首都機能を麻痺させる爆発の危機状況が現実にあった
ということが元総理の口から語られました。
東電があきらめて全員引き揚げさせると言ったときですが、
日常的な危機状況で現場が引き上げるということはあり得ても、
日本が崩壊するかどうかの瀬戸際で、引き上げることはあり得ない
ということで、東電に乗り込んでこれを止めた、ということでした。
 全体的な対応については、あらゆることが想定外のことで、
何が起こっているかを把握し、どうすべきかをわかっている人間が、
経産省にも保安院にもいなかった。
唯一話がわかったのは、現場の吉田所長と、東電の勝俣社長の二人で
吉田社長の存在を知りえたのは、福島の現場に自分が行ったからだった、
とのこと。
 一連の経験を通して、国が破滅することがあり得るということを目の当たりにし、
原発はやめなければならない、「再生エネルギー」しかないとおもった、という。


 その通りなんだろう、菅さんとしては、と思いました。
 自民党時代に始まり、結果として国民もほとんど監視することなく進められてきた
原発行政が引き起こした今回の未知の事故に、もちろん完ぺきではないけれど
1億2千万人の重圧を背負いながら、精一杯、対応されてきたのだと思いました。
そして、最悪の事態だけは、まずは避けられたことを、本当に良かったと思います。


2つめは経済・財政のこと。
 菅さんは5年ほど前に、お金は回さなければならないと気が付いたそうです。
 あたりまえのことだから、えっ?、気が付くのが遅かったかな、とは思いましたが、
そうなんですか、とそれは聞き流しました。問題はその後のお金のまわし方です。
 不況だ、デフレだというが、お金がない訳ではない。需要がない訳ではない。
お金はあるところにはあるし、需要も、物はあふれているが、介護や子育てなどの
サービス需要はたくさんある。 というのが現状の認識だというのは私も同じです。
だから、「お金のある人にどれだけ使ってもらうか」・・・と私なら考えるのですが、
菅さんの考えでは、そうはならず、ここで増税が出てきます。
 増税によって、介護や子育てなどのサービスにお金を回し、そのことによって、
雇用も生まれ、経済が活性化するはずだ、ということであります。重ねてきくと
増税によって確かに個人個人の持つお金は少なくなるが、同じ分だけのお金が
どこかで必ず使われるし、雇用にもつながり、少なくとも1が立つ、といいます。
「1が立つ」とは、おそらく、GNPの数字になるかどうかということで、
子ども手当が貯蓄に回るとゼロだが、保育士に給与が出れば1になる、
というようなことだと思います。


 これには納得しなかったので、カルロスゴーンが日産の社員をクビにしても
経済全体からみればよいということですか、と聞いたら、しばらく考えてましたが、
それは違う、雇用は人にとっては何よりも大切なことだから、ということでした。
まあ、菅さんの中ではやはり、「雇用」が一番ということだけはわかりました。


最後に、小沢さんのことを聞きました。僕が小沢Gと菅さんは知っています。
 質問としては、こう聞きました。小沢さんとか言わずに。
再生エネルギーも雇用もよくわかりますが、それをやろうと思ったら、
せっかくの300人が力を結集していかないと実現はできないはず。
100人以上の人たちを排除してしまったらやりたいこともできないのは
わかるでしょうに、なんでそんなことになってしまったんですか、と。


そしたら、酒をもう一杯、と冗談ぽく言いながら、率直に話してくれました。
ああなってしまったのは、自分の力不足で、みんなにも迷惑かけて申し訳ないと
思っているが、私から仕掛けようとかそういう意思は全くなかった、とのこと。
まあ、直接話していて、それも嘘ではないんだろうなと思いました。
ただ、自分の発する言葉や行動が周りにどんな結果を生むのかを想像するのが
得意な人ではないんだろう、というのは普段菅さんと接していてよく思うことです。

.