菅総理の経歴のなかで、私は、2012年の郵政民営化法改正案(民自公3党の議員立法)に「反対票」を投じた事実に注目しています。

 

この法案は与野党で協議を重ねて国会に提出したもので、自民党の歴代総理大臣(森喜朗元総理、福田康夫元総理、麻生太郎元総理)も賛成票を投じています。

もちろん、現在の自民党執行部である二階俊博幹事長や岸田文雄政調会長、森山裕国対委員長、そして公明党の全議員が賛成していました。

 

菅総理は、郵政民営化法改正案への反対について、当時のブログに
【この法案は、郵政の完全民営化をあいまいにするものであったため、私は党の方針に反して反対しました】

【処分覚悟で改正案に反対しました】
と記していて、その記事はいまでも読むことが出来ます。

 

「官から民へ」の路線にかける執念を感じるエピソードです。


地方自治体が返礼品で競い合うこととなった「ふるさと納税制度」の発案者である事実と合わせ、

菅総理は、『公共の領域』へ競争原理を持ち込むことに強い目的意識を持っているのは間違いないでしょう。

 

しかし、民営化してはならないものを民営化すれば、必ず社会全体が疲弊します。
典型例が、地方自治体職員のアウトソーシング化(非正規化)でしょう。


同様に、菅総理の中小企業再編や地銀統合の方針を見ていても、社会全体を疲弊させる「悪い規制緩和」「悪い構造改革」ではないかとの懸念が拭えません。

 

世界の潮流は、(再)国有化の時代なのです。

 

菅総理の「民営化志向」については、引き続き注意深く行政監視を続けていきたいと思います。