代表選挙に向けて、前原・枝野両候補の政策を熟読しています。
「All For All」と「多様性を認め合い、お互い様に支え合う社会」
細かな政策の違いはありますが、両候補が目指す社会像はほぼ一致しているように思います。
私なりに表現すれば、
それは「政府による再分配を重視した、同胞ひとりひとりを家族のように大切にする、働きやすい社会」です。
そうした社会を目指すうえで、前原候補は社会保障政策を中心に語り、枝野候補は労働政策を中心に語っているように感じます。
どちらが代表になっても、両者の政策が車の両輪のようにしっかりと機能すれば、きっとそれは広く国民に受け入れられるはずです。
代表選挙を通じて非常に有意義な議論がなされたことを、民進党の一員として嬉しく思います。
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前原候補のインタビューのなかで、特に心に残ったものを、いくつか引用いたしますので是非ご覧ください。
「(私は)社会にお世話になりました。
例えば奨学金 ー もちろん、奨学金制度は見直しが必要です。私も30代半ばまで奨学金返済していましたからね。
こういったものがなければ、大学まではたぶん進学できなかったと思うんです。
母子家庭だからという理由でいじめられたとか、嫌な思いをしたことはないんですよ。苦労しましたが、よかったと思います。だからこそ社会の支え合う仕組み、人の優しさがリアルにわかるんですよね。
このときから「すべての人にチャンスを」というのが原点なんです。例えば(貧困世帯が多い)ひとり親世帯の置かれている状況は、なんとしても変えたい。」
「いま、みんな苦しい生活をしていますよね。若い人は給料が下がっているから、消費にお金がまわらないんです。
高齢者も、年金が減らされ続け、将来不安から過剰貯蓄に走って、こちらも消費にお金がまわらない。これでは経済も成長しません。
不安を解消させる再分配政策、例えば若い人向けに教育の無償化政策を実現することで、安心してもらう。そうすれば、消費にお金が回って、経済の好循環が生まれると思うんです。」
「安保法はできが悪い法律です。いまのまま自衛隊を憲法に明記すれば、違憲の法律(=安保法)が正当化されてしまう危惧があります。」
前原誠司
【基本政策】
1.目指すべき社会像
私たちは、すべての生活者の「尊厳ある生活保障」の実現を内政の柱に据え、これに外交・安全保障の「(穏やかな)現実主義」を組み込むことで、命と暮らしを何よりも大事にする「私たちの家(社会)」を実現し、たくましく温もりのある国づくりをめざす。
(1)「格差是正」から「尊厳保障」「品位ある命の保障」へ
人びとの苦難や不運を「自己責任」で片づけることなく、すべての生活者の基本的必要(ベーシックニーズ)を満たす。そのために持続可能な社会保障制度の確立に向けて改革を進める。
○幼少期:子供の貧困などあらゆる不条理から子どもたちを解き放つ。幼稚園教育・保育の無償化と質の向上、子ども医療の総合化・無償化等を進める。
○青年期~壮年期:人間の尊厳を回復するため、同一価値労働同一賃金、均等待遇の実現を始めとした働き方改革(開発)、高等教育の無償化及び自己負担軽減、職業教育及び職業訓練システムの強化を図る。
○高齢期:健やかな超長寿社会を実現するため、介護施設・サービスの拡充、医療・介護・障がい・保育等の自己負担の上限を設定する総合合算制度の実現、AIやロボット技術などを駆使した新たなライフスタイルの実現を図る。
〇「品位ある命の保障(Decent Minimum)」:「尊厳保障」の土台を確かなものにするため、「生活保護」の「基礎生活保障」への転換、給付付き税額控除等による消費税の逆進性の緩和、住宅のセーフティネットの拡充、障がい者福祉の充実を行い、「品位ある命の保障」を実現する。
(2)「成長依存」から「成長誘導」へ
「成長の行き詰まり」が「生活の行き詰まり」に直結する「成長依存の社会」、「人間を消費する経済」から脱却する。人間に共通するニーズを満たし、結果として成長にもつながる経済・社会構造への転換を目指す。
○ 金融緩和一本足打法から脱却、人口減や高齢化を踏まえた社会改革に取り組む。
○ 日本のエンジンとなる子どもの考える力を育むため、教育カリキュラムや教員研修プログラムの充実、ICTの利活用を進める。
○ 生き方を選べる社会に向けて「日本版マイスター制度(ものづくりの担い手育成、若者の就業支援)」を整備し、ボトムアップ型イノベーションの実現をめざす。
○「『均衡ある発展』から『多様な地域社会』へ」を旗印に、域内経済循環の促進、再生可能エネルギーの推進及びエネルギーの地産地消、これらに対する公的融資制度の拡充を図る。
(3) 税の本質を「取られるもの」から「安心を得るもの」に変える
財源の使い途を明確にし、負担の不公平性を正しつつ、財源問題の根底にある政府への不信を払拭する。
○ 「社会保障・税一体改革」の反省の上に立ち、教育や住宅等をプラスした「尊厳ある生活保障」の旗のもと、国民の受益を明確にする。「財源」とのバランスを考慮しつつ、使途を明確にし、そのチェックや国民への説明機会を十分に確保する。
○ 「租税間公平性の回復(税のベストミックスの実現)」を通して、互いに支え合う社会への信頼を高め、税の不公平感をなくす。
○ 人々のベーシックニーズを満たすため、地方に共通するニーズを掘り起こすとともに、財源保障のため地方交付税だけに頼らない「地方共同税」の創設を構想する。
○ 建設国債の投資対象経費の中身を転換することで、教育等の人的投資を可能とする「社会的共通資本債」への転換を図る。
(4) 「公」「共」「私」が響きあう社会
生活ニーズを「公」「共」「私」の三位一体で保障する基礎を構築する。
○ 高齢者ケアから子ども、障がい者も含めた本来の地域包括ケアへ。
○ 事業主、利用者、地域をつなぐソーシャルワーカーの拡充、地域おこし協力隊の充実、入札方式の改革、ローカルベンチャーの育成など。
2. 震災復興及び首都直下型地震等を含め防災対策に万全を期す。気候変動にともなう台風等の自然災害への対策強化を図る。
3. 国際協調主義のもと自由貿易を基調として国益の最大化を図る。
4. 違憲の疑いのある集団的自衛権の議論を白紙撤回し、専守防衛を旨とする現実的で抑制的な外交安全保障政策に徹する。同時に近隣諸国等と連携し北朝鮮の脅威に備える。
5. 恣意的な改憲論議と一線を画し、民進党の考え方をまとめるに当たっては、立憲主義に立脚し、冷静かつ現実的に憲法を論議する。
6. 持続可能な世の中の実現に向けて再生可能エネルギーの普及を図るなど、2030 年代原発ゼロに向けてあらゆる政策資源を投入する。
7. 人権政策の推進、地域主権改革、男女共同参画社会の実現に向け積極的に取り組む。
8. 議員定数や選挙制度改革、政治資金のあり方等身を切る改革及び政治の信頼回復に全力を挙げて取り組む。
9. 代表選における推薦人制度の見直し、マニフェスト策定プロセスの改革(公開と地方議員、党員・サポーター、市民の参加)、公認候補者の「党設秘書」の新設など支援拡充、ブロック会議など地方議員と執行部の意見交換の活性化、地方組織の運営の自主性尊重、党営シンクタンク創設、活力ある人材育成・登用、野党時代における代表任期のあり方等、躍動感のある党運営に向けて、さらなる党改革を進める。