獅子獅子
2017年の1文字は「雅」にする!と年始に宣言していた母。
その言葉通り、折に触れ着物を着て出掛けているようです。
というわけで、そんな母に付き合って、母娘着物で歌舞伎へ。
金閣寺、大学の時演劇学概論で習ってたあらすじ知ってたおかげで何とか乗り切れました。
ほら、最近、歌舞伎っつっても派手で分かりやすいスーパー歌舞伎とかばっかり見てたから。古典的な言い回しとか、ね。食後やったしね。こう、気持ちよーくなって、うつらうつら……危なかったです。
楽しみにしてた連獅子は、右近が尾上松也さんで、左近が尾上右近さん。
本当はここで、左近さんなのに右近!ぷぷ!のひとくだりをやりたいのだけど、他にも書きたいことたくさんあるのでそこはスルーで参ります。
連獅子と言えば、有名なのはこのシーン!
カラフルな長髪振り回すやーつ。
有名なのは、というか……私、このシーンしか知りませんでしたけど。
皆様の中にも、歌舞伎に馴染みがなくてもこの絵面は見たことあるような気がする方も多いのではないでしょうか。
とにかく、この格好で2人出てきて、なんやかんやあって、ぶんぶん!という流れかと思ったら、えらい簡素な装いで登場して粛々と舞ってらっしゃる。
えー、獅子は?と思ったら、お二人の右手に!ちっこい獅子が!
それはまるで、マーチンとプーチンのような……(ラーメンズ)
と、ぽかーんとしている間に2人は退場、次に出てきたのはおじいさん2人。
そして突如始まる宗教ショートコント!
ざっくり言うと、巡礼の道連れになった何妙法蓮華経の人と南無阿弥陀の人が、うちの宗派の方が凄いやい!と小競り合いする話なんですが。
このシーン、面白かったなぁ。
宗教もね、このくらいポップに取り扱って貰えると笑えるし面白いんですけど、なんかね、宗教間の争いって、触れたらあかん話になってるやん……?
(あっ、期せずしてタイムリーかつデンジャラスな話題や)
また学生の時の話になってしまいますけど、興味本位で取っていた宗教学概論という授業も面白かったです。なんや偏屈なおじい先生やったけど。
また話が逸れてしまった。おじいさん達も退場して、またあのミニ獅子が出てくるのかと思っていたら、ついに!ついに先ほどの右近左近がモフモフ頭で登場。
わーい!私が(唯一)知ってる連獅子、これこれ!と喜んでいたのもつかの間、次なる試練が。
え?
頭、いつまで振るん……?
わー、と自然と湧き上がった拍手も、もう終わりかな?と引いて、あっ、まだやるんや、みたいにまた湧き上がって……と、寄せては返す波のように3回くらい繰り返されちゃってる。
お客さんも、いや、もう脳震盪とかなんか諸々危なそうやからええて……みたいな雰囲気になってきても、まだぶんぶんしてる。
ノーインターバルでずーっとぶんぶん!
怖い!もう怖い!おかあさん!
私!もう見てられない!ほら!もう松也さんの動きが鈍ってきたわ!右近さん!もうやめてあげて!
と、かなりこちらの精神をすり減らしたところで終了。
いやー、凄まじかったです。
右近さん、所作が美しかったなぁ。