現在、農林水産省が「家畜伝染病予防法施行規則の一部を改正する省令」
を改正しようとしています。
この改正により、放牧畜産が規制される可能性があります。
写真/ぶぅふぅうぅ農園
豚は本来、太陽の下で探索しながら草や木の実を食み、好きな時に泥浴び
をする生き物です。
そんな自然な欲求を満たすことができる放牧が本来の畜産の原点です。
自然な姿で満たされて生きることで、心身ともに健康になり、免疫力も
増すと言われています。
舎飼いで豚熱(豚コレラ)が収束した例はなく、また放牧豚が感染
しやすいというデータもありません。
現在、農水省が改正案について意見を受け付けています。
(締切は6月11日まで)
国に意見を届けることのできる貴重な機会、皆さんもぜひ意見を
届けてください。
アニマルウェルフェア後進国の日本ですが、近年は、動物福祉に
配慮されたお肉や卵や牛乳などの価値が消費者に理解され
求められるようになってきました。
動物に投与される抗生剤が、耐性菌を作るという問題から
人間の健康や医療に深刻な被害をもたらすことが知られるようになり
動物性のものをいただくなら、その動物が健康でなければならない
ということの理解が進んできたからです。
オリンピック・パラリンピックの選手たちが、オリパラ開催地の
日本に対して、アニマルウェルフェアに配慮した動物性食品を提供する
ようにと抗議したのは、動物福祉を無視した非人道的な動物への
扱いだけでなく、自分たちの体を守るための抗議でもあることを
知ってほしいと思います。
畜産における家畜も、動物園やふれあいカフェにおける展示動物も
ペットとしての犬猫なども、動物たちの自然な行動欲求を奪うような
飼育環境は、本来あってはならないのです。
写真/アニマルライツセンターより
けれど、効率性と利益のみを追求し、動物には大きな苦しみと犠牲を
強いてきました。
一般的に流通している工場式畜産の大量生産されたお肉を食べていても
「自分は健康だ」という、無知がゆえにアニマルウェルフェアを軽視する発言を
する人がたまにいますが、もちろん、食べてすぐに病気になるわけではないでしょう。
健康被害は、環境問題と同じく、じわじわと侵食されていくものですし
自分が病気になって初めて、抗生剤による耐性菌の問題にぶち当たるかも
しれません。
こういう理解が深まり、環境問題とも深く関わる、アニマルウェルフェア
の歩みを進めている中で、今回、それを妨げてしまうような法改正が
行われようとしています。
まったくもって、時代に逆行した本末転倒な改正です。
健全な畜産のあるべき姿、放牧を守るために、どうか皆さん力を
貸してください。
この度、公益財団法人動物環境・福祉協会Evaは、認定NPO法人
アニマルライツセンターさんと共に署名運動をスタートしました。
皆さんには是非、署名のご協力をよろしくお願いいたします。
改正の詳しい問題点、パブリックコメントの詳細はこちらから。
以下、どちらからでも署名サイトに入れます。
↓↓↓
公益財団法人動物環境・福祉協会Eva
認定NPO法人アニマルライツセンター
https://www.hopeforanimals.org/pig/petition-do-not-ban-grazing/