動物実験について | 杉本彩オフィシャルブログ 杉本彩のBeauty ブログ Powered by Ameba

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何人かの方から、
動物実験に関する
私の見解を
聞かせてほしいという
コメントを頂きました。


城さんという
動物愛護の問題に
真剣に向き合って
いらっしゃる学生さんからも、


私の意見が聞きたい
ということでしたので
お答え致します。


ご存知かもしれませんが、
動物実験に関しては、
50年前に
イギリスの研究者
ラッセル&バーチが提唱した3R
(Reduction削減・
Refinement苦痛の軽減・
Replacement代替)を、

1999年ボロニアの
世界会議で採択した
ボロニア宣言が世界基準となり、
各国は動物実験への法規制を行っています。


動物実験については、
非倫理的だという非難に加えて、

動物と人間の間には
厳然とした種差が存在し、
動物実験の結果は
人間への影響について
誤った結論を導き出す可能性がある
という科学的な面からの
批判もあります。


日本も、前回の
動物愛護法改正により、
この3Rの原則を明記しましたが、

代替・削減に関しては
“配慮"するという意味合いが強く、
他の先進国と比較しても
遅れている感が否めません。


それは、日本の行政システムが
別れていることが大きな原因です。


動物愛護法は環境省で、
実験動物の福祉という部分において
苦痛の軽減については
明記できるのですが、
動物実験の適性化は
科学研究の要素であるということで、
文科省・厚労省・農水省が分担しています。


従って、

代替・削減に関しては
動物愛護法でガイドラインを
定めることができてなかったのです。


しかし、
世界の基準に追いつく為に、
今回の動物愛護法改正では、
この3Rの明確な規定を
求めていかなければなりません。


実際、EU内では
化粧品の原料における
動物実験の禁止や
販売の制限が進んでいますし、

タバコやアルコールなどにも
広がりを見せています。


また食肉用に殺される
畜産動物の福祉にも積極的です。


ただし、動物実験によって
人間が救われてきたことも事実です。


それは食肉として
奪われてきた命にも言えることです。


これから私達が目指す
「動物と人間の共生」は、
人間が生きる為に
奪われてきた動物達の命に
感謝し反省すると同時に、

動物の権利を
尊重することが大切だと思います。


人間の欲の為に、
尊い動物の命を
安易に犠牲にしないことです。


「もし、ボートが転覆して、
人間の赤ん坊と犬のどちらか
一方しか助けられないとしたらどうするか」

と聞かれて、

PETA

(世界最大の動物愛護団体)の幹部は


「はっきりとは分からない」と答えました。


その一方、
有名な動物の権利活動家は


「私達が直面しているのは、
そうした究極の事態ではない。
私達は赤ん坊と犬の
両方を助けることができる」
と答え、

このような比較自体が無意味だと述べました。


共生は、どちらをとるか
といった極端な考え方では、
その実現を妨げることがあります。


人間だけの為に動物を
犠牲にすることは許されませんが、
命を同等のものとして尊重し、
共に豊かに生きる道を考えるのは
人間の義務であると考えます。


もちろん私はお肉も魚も食べます。

その命に感謝しながら…。


動物実験の上に
成り立ってきた医療も受けます。


医薬品も医薬部外品も服用します。


私達の命は、
多くの命の犠牲の上に成り立っています。


このことを認識し、感謝し、
自分がこの世に生まれた意義を問いながら、
多くの命の犠牲によって
生かされている自らの命の使命を探求し、

その感謝と贖罪の心により、
少しでも何かに、
誰かに、
社会に貢献できるよう努め、
その天命を全うすることが、
大切なのだと私は考えます。


弊社のアンデスティノ化粧品は、
もちろん動物実験を行っていません。


けれど、
それらに使われている
原料の長い歴史に遡れば、
動物実験は行われていたことでしょう。


弊社に限らず、

『動物実験は行っていません!』

今はそう謳っている会社の
ほとんどは同じです。


妄信的な動物実験廃止の活動家は、
時々こんなことを言われます。


「かつて実験が行なわれていた原料なら、
 この会社の化粧品やサプリは買いません!」


そういう極論は、
私たちが生きるために、
常に何かを犠牲にしてきたという
本質や現実を
わかっておられないように感じます。


たとえその会社が
動物実験をしていなくても、
自社・他社問わず
過去に動物実験で
安全性が証明されている原料を
使用している場合がほとんどです。


そういう意味で、厳密には
完全なるアニマルフリーの
化粧品は難しいのが事実。


逆の言い方をすれば、
全く安全性が証明されてない
原料だけを使用した製品を
販売するということは、
購入者に安全性のリスクを
背負わせることにもなるわけです。


動物実験の削減・代替というのは、
このように過去のデータを使用したり、
他のデータを利用して
科学的に判断することから始まるわけです。


化粧品会社が、
自社で動物実験を
繰り返すのは論外ですが、

背景を語らず単純に


『動物実験をしていません!』

とだけ謳うのは、
そのような背景を
知らされていない消費者を利用した
販促戦略と指摘されても
反論できない会社もあるでしょう。


ですから、
アンデスティノは、
そういう意味でも、
お客様に正直でありたいと考えます。


これから私たちが目指すべきは、
今までの犠牲の上に得られた
実験結果を活かし、
代替で対応できるものは代替実験にし、
動物の命の尊厳を踏まえて、
必要最小限の犠牲に止めること。


もちろん、苦痛軽減には配慮して。


実験をすべて廃止するということは、
私たちが受ける医療や
服用するもののすべてにおいて、
私たちが責任を
とらなければならないということを
理解しなければなりません。


動物実験全面廃止の思想を訴えるには、
その思想に矛盾のないよう、
医療においても、
自分や家族や愛する人が病を患った時、
動物実験の上で
現在も進歩を遂げている医療を、
たとえ死に直面している病であっても、
それを受けないという選択になりかねない、
そのことを理解した上で
全面廃止を訴えなければならないと思うのです。


だから、とても複雑な問題だと
私は感じます。


私が今思うことは、
一刻も早く、
「ボロニア宣言」の3Rを、
日本が明確にすること。


食肉用の畜産動物に対する福祉。


安価な毛皮は、
その生産の現場で、
犬猫が使われ、

ウサギやキツネのファーとして、
生きたまま毛皮を剥がされます。


人間の健康や生死とは無関係な
ファッションのための毛皮は、
ウサギもキツネもすべて、
その生産は全面的に無くすこと。


これらを推奨していくことが、
今の段階では、
最も現実的ではないでしょうか。


これが私の見解です!