第13話「殺意」
スギの言葉に阿弥は「あっ!?」という顔をした。
亜実は下唇を噛むような表情で下を向いた。
スギ「だっておかしいじゃないか!?
亜実は俺が桑島…って人の部屋を出たときはそこに居たんだよね…?」
「……にも関わらず…事故の第一発見者ってことになってる…。」
ここまでスギが話すと…スギの表情は暗くなり…亜実と同じように下を向いてしまった。
たちまち外からたまに光る雷の音しか聴こえない状態になった。
この状況にしびれを切らして阿弥が口を開く…。
阿弥「じゃあ…あんたが…スギくんを…」
阿弥は亜実を嫌悪感たっぷりな顔で睨み付けた。
亜実は…しばし遠い目をしたあとで、瞳を閉じて、涙を堪えているような表情をしたかと思うと…
急に…
亜実「………そうよ」
と呟きながらニヤっと笑った。
「だって…スギくんが悪いんだよ?
…私たちが憎んでいる高木の娘なんかと付き合ってるなんて言うから…」
そう言うと…亜実は立ち上がって、スギと阿弥の座っている席から少し離れた所まで歩きながら…
「スギくんを殺せば…あの女は悲しむ…そう思ったの。
……ただそれだけよ…」
「亜実……」
亜実からの衝撃的な発言に、
スギは驚きを隠せなかった…。
「ほんっとうに最低な女ね!!
…地獄へ堕ちるべきだわ!!」
阿弥は亜実の背中を睨み付けた。
一方でスギは絶望感で一杯の表情をしていた。
阿弥は呆然としたままのスギの手を掴み…
「スギくん、行きましょ?これ以上この女とは関わらない方が良い!!」
そう言いながら、スギの手を強引に引っ張ると店の出口へと連れ出した。
阿弥とスギが店を出ていくところを、亜実は振り返り黙ったままジッと見つめていた…。
「亜実……」
店を出てからもスギは信じられなかった…
……いや、信じたくなかった。
亜実と出会って…
…正確には、亜実との想い出を作りあってから3年である。
それにしても…殺そうとした男と…3年も一緒に暮らせるだろうか?
なんだろ?
この感じは…??
「とりあえず…まずは由麻奈に会ってみよ?
もしかしたら…何か思い出すかも知れない。」
スギを慰めようと、阿弥は少しトーンを上げる感じで話し掛けた。
「…………」
スギは何も答えず軽く頷いた。
ショックで力が入ってないような足取りで、スギは阿弥とゆっくり「KOAMI BAKERY」に背を向けながら歩いていた。
……でも、なんとなく気になって…さっきまで居た自分の場所をスギは振り返ると…
「えっ!?」
スギは思わず声を漏らしながら、動きが止まってしまった。
スギの反応に驚いて、阿弥も慌てて
スギの視線の先を観ると…
「KOAMI BAKERY」から火があがっているのが見えた…。
つづく
この小説のようなものは、あくまでもスギマンの妄想であり、登場人物とか家族構成とか関係性は全てフィクションです(笑)
もうしばらく連載終わりそうにないかも…知れません( ̄▽ ̄;)←
では、また(^ω^)