僕は15年前の23歳の時に始めてこのスタイルで描いた作品をワンダーseedに出して入選しそこの審査員をされていた都知事"石原慎太郎さん"に購入していただきそれをキッカケの一つとしプロへの道を歩み始めました。

それまで自分は、コンペや展覧会は、何処か審査員傾向や、流行りに合わせないとダメなんだろうと決めつけて、業界もお客さんも斜に構えて見ていましたが、誰もが首を傾げていた当時風変わりな自分なりのスタイルの作品を初見で唯一身銭を切った上で褒めて貰えた気がして、購入する人や見る人も"表現者"なんだなぁと見方が変わり、それから、やりたい事をやろう、それを褒めてくれる人がいると信じよう、当時とても自信になった記憶があります。

「ゲテモノがいつかクラシックになるから、自由奔放にゲテモノを作り続けるように」言われました。石原さんならではのユーモアも含む激励なんだと思います。

その後、ずっと応接室に作品を飾ってくれていたようです。僕が日本を代表する作家になったら展覧会に是非お呼びしたいと思っていました。
クラシックとなったその日を生身の目で見せる事は出来ませんでしたが、僕をはじめ多くの若い作家さんが生まれ今でも活動して感謝をしているかと思います。

当時、若手アートなんかにお金を使って何になるんだ税金の無駄遣いだと多くのメディア方から言われていましたが、若手発掘のコンクールをあの時、作ってくれて作品を購入してくれて本当に有り難う御座いました。

心からご冥福をお祈り致します。

杉田陽平



"紫と空間と秘密"
2005
キャンバスにアクリル絵具
石原慎太郎蔵



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展覧会のご案内
杉田陽平 
個展タイトル"曇り空の中に、どこまでも鮮やかな色を探して"
会場 渋谷パルコB1
会期 2月18日-2月28日
入場 無料
作品抽選販売約30点〜50点
グッズ パルコ限定数 特装ミニ画集販売