「私、描きたい絵がないんです。」
「みんな自分のスタイルがあるのに自分には無いんです」
「先生は、周りの子には言わないのに私にだけ落ちる落ちるって言うんです」
「絵描きたくない」
「誰もわたしの絵なんか好きじゃないんだ」
高校一年生の時から知り合いの芸大受験をしている女の子からのリアルなメールが届く。現在彼女は浪人1年。
僕は何も言ってあげれなくて結局、聞いてあげる事しか出来なかった。
彼女は、芸大生や院生、講師と幾人も知り合いなのだ、僕は、作品を見せてアドバイスを貰う相手ではなく、
日頃のわだかまりを聞いてくれればいい役なのだ。
先生の無責任さと、滑り止め無しで受験する者の不安さ、高校生でも学生でもない浪人生という半端な立場
絵が好きであるからこそどんなスタイルでも様になってしまい潔くなれない不条理さの中で、のたうち回っているのだ。
本番まで後、四日。
もがいた先に、歌を忘れたカナリアが、また楽しそうに歌をさえずる日が近い事を僕は、頑なに信じ耳を澄ます。
暫くすると「杉田さんはみんなに優しいそうで怖い!気味が悪い」と、、、。
何でそうなんねん!!