満月をまって/あすなろ書房
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『満月をまって』

メアリー・リン・レイ/文 

バーバラ・クーニー/絵 

掛川恭子/訳 あすなろ書房



「ぼく」は満月をまっている。満月が来ると、父さんが手作りのかごを町に売りに行くのだ。今度の満月こそきっと、連れて行ってくれると信じている。


今から100年以上前、米国ニューヨーク州ハドソンからそれほど遠くない山あいに、かごを作って生計を立てている人たちがいました。

「ぼく」はそんなかご作りの家族に生まれた男の子。

かごにする木はいろいろあるけれど、トネリコがいちばん丈夫でよいかごができると「ぼく」は知っています。

ある満月の日、やっと父さんに町に連れて行ってもらった「ぼく」はとても悲しい気持ちになってしまいます。

それはあまりにせつない事実でした。



お父さんもおじいさんもおばあさんも、親戚のおじさんもかごを作って生きる一族。

1996年、最後のかご作り職人のおばあさんが亡くなった、とあとがきに書かれています。

木の声を聴き、風のてがみを読みながら、木からかごを作る職人たちの本当にあった物語。