みどりの小鳥―イタリア民話選 (岩波の愛蔵版)/岩波書店
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『みどりの小鳥-イタリア民話選』

イタロ・カルヴィーノ 作

河島英昭 訳




イタリアの作家、イタロ・カルヴィーノが集めたイタリア各地の民話集よりご紹介します。

表題にもなっている「みどりの小鳥」はフィレンツェに伝わる民話です。

3人の姉妹と王様、それから王妃となった末娘が登場しますが、本当の主役は末娘が生んだ子どもたちです。それは、ミルクと血の肌で金の髪をした男の子が2人と、ミルクと血の肌で金の髪をして額に星のある女の子1人。民話にはよくあることですが、いじわるな伯母たちの策略によって、3人は生まれてすぐに川に流されました……。

大丈夫、そこで終わりません。


その後、3人が住むことになる庭園がなんともいえず、すばらしいのです! 世界中から珍しい花や木を集めて植えてありました。ところが、そこへまた、邪悪な伯母たちが現れ、「まだ、庭に足りないものがある」と悪魔のようにささやきかけるのです。それは、

踊る水、奏でる木、そして、美しいみどりの小鳥。


これらを手に入れなければ、完璧に美しい庭とはいえない。そう思いこんだ子どもたちは?最後には思いもかけない判決が下されました。



何度読んでも、この庭を訪れたくなる、いいえ、作ってみたくなる夢の庭のようにあこがれます。