あいしてくれてありがとう (絵本の時間)/宮西 達也
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ひとりぼっちになっても、さびしくないのは

『あいしてくれてありがとう』

宮西達也/文と絵

ポプラ社



もう一冊、「ティラノザウルス」シリーズを紹介します。

わがままで、ものすごくつよくて、おそろしいティラノザウルス。だれも彼にちかづきません。

そんな彼が出会ったのは、ちっちゃな、ちっちゃな恐竜パウパウサウルスです。

ティラノザウルスは「おいしそう!」と思わず、パクッと食べそうになりますが、

「わたしたち、にてるね」と声をかけられてびっくり。

大きな恐竜のティラノザウルスと、このよわっちい恐竜のパウパウサウルスが!?

びっくりして、「どこが似ているんだ?」と聞くと

「わたしは、よわむしで、なきむし。おじちゃんも、よわむしで、なきむしでしょ」だって。

じつはパウパウサウルスは目が見えないのです。だから、相手がこわ~いティラノザウルスだって、気づかないのです。

この会話をきっかけに、ふたりは仲よしになっていきます。

お互いに、ひとりぼっちだったふたりの恐竜は、ふかいふかい友情で結ばれていきます。

ところが、だんだんとパウパウサウルスの目が見えるようになってきて…。



「うまれてきてよかった」
「だって、あなたに会えたから」
この絵本が教えてくれるメッセージは、大切に思い合えるってステキなこと。
お互いに心がふれあった時間は消えないということ。

愛し合った記憶があれば、ひとりぼっちになっても、さびしくなくて、生きていけるということ。

ありがとう、この本をつくってくれたひと、ありがとう。