- あいしてくれてありがとう (絵本の時間)/宮西 達也
- ¥1,260
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ひとりぼっちになっても、さびしくないのは
『あいしてくれてありがとう』
宮西達也/文と絵
ポプラ社
もう一冊、「ティラノザウルス」シリーズを紹介します。
わがままで、ものすごくつよくて、おそろしいティラノザウルス。だれも彼にちかづきません。
そんな彼が出会ったのは、ちっちゃな、ちっちゃな恐竜パウパウサウルスです。
ティラノザウルスは「おいしそう!」と思わず、パクッと食べそうになりますが、
「わたしたち、にてるね」と声をかけられてびっくり。
大きな恐竜のティラノザウルスと、このよわっちい恐竜のパウパウサウルスが!?
びっくりして、「どこが似ているんだ?」と聞くと
「わたしは、よわむしで、なきむし。おじちゃんも、よわむしで、なきむしでしょ」だって。
じつはパウパウサウルスは目が見えないのです。だから、相手がこわ~いティラノザウルスだって、気づかないのです。
この会話をきっかけに、ふたりは仲よしになっていきます。
お互いに、ひとりぼっちだったふたりの恐竜は、ふかいふかい友情で結ばれていきます。
ところが、だんだんとパウパウサウルスの目が見えるようになってきて…。
「うまれてきてよかった」
「だって、あなたに会えたから」
この絵本が教えてくれるメッセージは、大切に思い合えるってステキなこと。
お互いに心がふれあった時間は消えないということ。
愛し合った記憶があれば、ひとりぼっちになっても、さびしくなくて、生きていけるということ。
ありがとう、この本をつくってくれたひと、ありがとう。