- あいしているから (児童図書館・絵本の部屋)/マージョリー ニューマン
- ¥1,365
- Amazon.co.jp
愛する人をカゴに閉じこめないで
『あいしているから』
マージョリー・ニューマン/文
パトリック・ベンソン/絵
久山太市/訳 評論社
モグラのモ―ルくんは、かわいいひなどりを見つけました。
巣から落っこちてしまったようです。
親鳥がさがしにくるのをいっしょに待っていましたが、やってきません。
そこで、モ―ルくんはひなどりを育てることにしました。すると、
「ひなをそだてるのはとってもむずかしいのよ」とママ。
「たいてい、しんじゃうよ」とパパ。
それでもモ―ルくんはがんばりました。
そして、小さなひなどりがようやく自分で飛べるようになったとき、
板きれで鳥かごをつくって、とじこめてしまうのです…。
ひなどりは、モ―ルくんとずっといっしょにくらせて、うれしいかな。
ひなどりは、モ―ルくんにずっとまもられて、あんしんかな。
ひなどりは…。
大切に大切に思うあまり、そくばくしてしまうことがあるものです。
でもそれは、本当に大切にしているんでしょうか。
危険から身を守ってあげていることになるんでしょうか。
本当に大切に思っているのは、とじこめたあなた自身?
あなたのそばだけに、愛する人にいてほしいという、エゴかもしれませんよ。
心配してばかりいて、自分のそばからはなさないなら、その子は成長できません。
新しい友だちもできません。
大切な誰かと、本当に大切な絆を結ぶためにしたいことが、この絵本には書かれています。