あいしているから (児童図書館・絵本の部屋)/マージョリー ニューマン
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愛する人をカゴに閉じこめないで

『あいしているから』

マージョリー・ニューマン/文

パトリック・ベンソン/絵

久山太市/訳 評論社



モグラのモ―ルくんは、かわいいひなどりを見つけました。
巣から落っこちてしまったようです。
親鳥がさがしにくるのをいっしょに待っていましたが、やってきません。
そこで、モ―ルくんはひなどりを育てることにしました。すると、
「ひなをそだてるのはとってもむずかしいのよ」とママ。
「たいてい、しんじゃうよ」とパパ。
それでもモ―ルくんはがんばりました。
そして、小さなひなどりがようやく自分で飛べるようになったとき、

板きれで鳥かごをつくって、とじこめてしまうのです…。



ひなどりは、モ―ルくんとずっといっしょにくらせて、うれしいかな。
ひなどりは、モ―ルくんにずっとまもられて、あんしんかな。

ひなどりは…。



大切に大切に思うあまり、そくばくしてしまうことがあるものです。

でもそれは、本当に大切にしているんでしょうか。

危険から身を守ってあげていることになるんでしょうか。

本当に大切に思っているのは、とじこめたあなた自身?

あなたのそばだけに、愛する人にいてほしいという、エゴかもしれませんよ。

心配してばかりいて、自分のそばからはなさないなら、その子は成長できません。

新しい友だちもできません。

大切な誰かと、本当に大切な絆を結ぶためにしたいことが、この絵本には書かれています。