ちいさなもみのき (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)/マーガレット・ワイズ ブラウン
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「さびしい」って、すなおにいえますか?

『ちいさなもみのき』

マーガレット・ワイズ・ブラウン/文 

バーバラ・クーニー/絵

かみもじょうゆみこ/訳 福音館書店



大きなモミの木が立ちならぶ森から、少しはなれたところに芽をだした、モミの木。
そのモミの木は、小さくて、少しさびしそうでした。

「だれもいない ひろいのはらに、たったひとりで いるよりも、

だれかと いっしょにいたい、もりのみんなと いっしょにいたい」と思いました。


そんなある日、ひとりの男の人が小さなモミの木を土から掘り起こし、肩にかついで、どこかへ持っていきました。
そこは、小さな男の子が眠るベッドのそばでした。
男の子は足が悪くて、いつも窓から森をながめているだけだったのです。
でも今日、お父さんがモミの木を連れて帰ってくれました。
小さなモミの木は小さな男の子と、友だちになれたかな。


だれだって、ひとりぼっちはきらいです。
「さびしい」という思いをきちんと感じられるひとには、天の神さまはちゃんと友だちを連れて来てくれると思います。
「さびしくない」って、つよがったり、
「ひとりでもだいじょうぶ」って、がまんしたりしないでいいんです。
だれかがきっと、やさしいあなたを見ていますから。