心がつめたくなったなら
『あたたかい木』The warm tree
くすのきしげのり/作 森谷明子/絵
佼成出版社
その木のそばにいくとホッとする、あたたかい木の絵本と会いました。
大きい、大きい、あったかい、どうぶつたちが安心して根元で眠る木です。
この木はなぜ、あたたかいか?なんて、どうぶつは考えないし、この木をひとりじめしようともしない。
うさぎも鹿もリスも、クマもイタチもキツネも、
食べるどうぶつと食べられるどうぶつも一緒にすやすや寝てしまう。
冬の北風も、その木の枝をぬけてくると、あたたかい風になるんです。
ある日、ひとりの若い植物学者があたたかい木と出会います。
「あたたかいなあ」って、彼もすぐに気づきます。
彼はどうしたと思いますか……?
ページを進めるうちに、心がふわ~っとあたたかな風で包まれるようです。
だれの心の中にも、あたたかい木があるといいな。
自分を見失いそうになったり、人につらくあたってしまうとき、自然にあたたかい人になれる、一冊です。