『ワニくんとかわいい木』
みやざきひろかず・文と絵
ブックローン出版
ワニくんの家の床のすき間から、木の芽が出てきました。
かわいい、かわいい、小さな芽。ワニくんはどうしたと思います?
もちろん、育てることにしました。「ほら みずだよ」「さあ おひさまだよ」毎日、毎日、お水をあげて育てているうちに・・・、大きく育っていきました。
大きくなるのは嬉しいのだけど、木はみるみる大きくなって、ワニくんの背を越して、ワニくんの家の屋根を突き破って、部屋の中いっぱいに! お風呂に入るのも、ごはんを食べるのも大変なことになって、ワニくんが考えたこととは?
ワニくんの決断は、思いもよらない出来事へ・・・。
言葉少ない絵本の中に、現代への警告ものぞかせながら、一緒に暮らす人への思いやりが描かれます。
ワニくんが育てた木は、あなたのお父さんやお母さんかもしれないし、あなたの子供かもしれないし、兄弟姉妹かもしれないし、夫や妻かもしれないし、恋人かもしれません。
ときには、一緒にいるときゅうくつだなあと思ったり、面倒くさいなと思ったりすることもあるけれど、大切な人とは決して離れてはいけません。ばっさり切れば、それでおしまい。
そばにいるだけで、人は幸せを感じることができる。どんなに苦しいときも、大切な人がそばにいるだけで、生きていく勇気をもてるのです。
杉原梨江子公式ブログ「聖なる樹の言の葉たちⅡ」
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