2月26日に当クリニックの院長、副院長、看護師、検査技師がお世話になった先生がお亡くなりになりました。74歳でした。
今回はその先生とのエピソードを少し書かせて頂きます。
私が心臓超音波を始めた20年程前からお世話になっていました。第一印象はというと     
〝コワイ″でした。朝、挨拶をしても返ってこない・・・
入職したばかりの私はそんなもんなんだって思っていました。同僚の中でもその話になった時、『こっちが頭を下げてる間に先生もうなずくように頭下げてくれてるんだよ!』って聞きました。その話を聞いた後、よく見てみると確かにうなずくように頭を下げてくれていました。
そして忘れられないエピソードが・・・
朝、仕事に行くと検査室の前の廊下の天井から雨漏りがして水浸しになっていました。そこには傘をさした先生の姿が・・・
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笑ってはいけないと分かっていても廊下で傘をさして1人たたずんでいる先生の姿はいまでも鮮明に覚えています。
また大きなミスをした時、最高責任者だった先生をはじめ、その他の多くの方々に助けて頂きました。その時、先生に事情説明、お詫びに伺った際、怒ることもなく淡々と話を聞くだけでした。
そして『もういいから、頑張れ!』とだけ言って守ってくれました。
引退されてからは一年に一度ふらっと検査室にやって来て『エコーやってよ』と心エコー検査を受けに来てくれていました。
先生の検査をしながら、検査室の現状や自分の考えていること、たまにはグチ等聞いてもらっていました。その時もやはり小さくうなずいて『そうだな!お前さんのやりたいようにやればいいよ。』と背中を押してくれました。 先生にそう言って頂いて嬉しくもあり心強かったことを覚えています。

3月2日、雨の降る中お通夜に行かせて頂きました。当クリニックの院長は『人は亡くなった時にその人の価値がわかるんだよ。』とよく言ってます。まさにその通りでした。多くの方が参列してお別れをしていました。祭壇に飾られていた遺影写真はあの〝コワイ″感じのお顔ではなく優しい感じの笑顔でした。
まだまだ先生とのエピソードはいっぱいありますがこの辺でやめておきます。先生との思い出は私の財産となっているのは間違いはなく、こうして検査技師として仕事ができているのは先生が守ってくれたおかげだと思っています。
本当に残念ですが、心より感謝の意を捧げますとともに謹んで先生のご冥福をお祈り申し上げます。ありがとうございました。

すぎおかクリニック スタッフ一同