市川崑の大映時代の注目作『炎上』をNHKで観た。三島由紀夫の“金閣寺”を映画化した市川雷蔵初時代劇作品です。雷蔵が吃音の青年役を好演している。映画では金閣寺と仏教界からの反対で金閣寺が使えず驟閣寺になっている。母に浮気で裏切られ、父の死で預けられた驟閣寺の尊師に裏切られた吃音の青年僧が何故!国宝の寺を放火したのか?信じるモノを失った青年の怒りと反抗を描いた作品です。市川崑は脚本家の妻.和田夏十と三島の原作を生かす為のシナリオ作りを熟考し構成を1部変更し、親子の話に絞り三島の“美とは何か?”と言う抽象論から離れて、暗い裏日本で育った吃音の青年の生き方や悩み、親との離別などを金閣寺を背景に追及した作品にしている。その方が三島の原作の主題に迫れると判断したようです。映画は警察の尋問シーンで始まり最後は警察に連行される汽車から飛び降りて死んで終わりました。ラストの炎上シーンや吃音の青年僧を演じた雷蔵の演技が注目されました。主演は市川雷蔵、共演は仲代達矢、中村鴈治郎、中村玉緒、新珠三千代、北林谷栄などなど。撮影は宮川一夫。1958年製作の1時間39分の大映作品のモノクロ日本映画でした。