GO TO YAMANASHI(その2/紛らわしい市名) | 直球オヤジの自由奔走生活

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座右の銘は「"行きたい"、"やりたい"、"欲しい"と思った時が"その時"」。55歳で早期退職し、高齢者と呼ばれるまでの今が"その時"。趣味のバイクや自転車は年齢的に待ったなし。エコノミーな生活で趣味を楽しむ。これをどう追い求めるかが、このブログのメインテーマです。

甲府盆地を走っていると、道路標識に現れる地名に戸惑うことが多い。合併により市の名前が変わったのはいいが、その地名が似ていて実に紛らわしい。

 

平成の大合併の功罪を問われることがあるが、ツーリングを好む人間にとって一番都合が悪いのは、昔から馴染んでいた地名が消えてしまったこと。どんな名前を付けるか地元の人さえ良ければいいのだろうが、地名を変えると旅をする人間には紛らわしい存在になることがある。

 

合併で市域が広がり、標識に書かれた地名があまりにも大括りになり、道路標識が役に立たないことがある。例えば長野県を南下し、静岡県西部地方の山深いエリアに入ると浜松市と表記される。しかし、そこから浜松市の中心部には2時間は掛かるだろう。昔は水窪町とか佐久間町と書かれていたのに、ここから浜松と言われても、距離感が掴み難い。まあ、その程度ならまだしも、山梨県はそんなものではない。

 

県庁所在地の「甲府市」の周辺にはこんな名前の市がある。「山梨市」、「甲斐市」、「甲州市」という。どれも山梨県そのものか、それを強くイメージさせる名称で、「我こそは、山梨県を代表する町である」と言いたいのだろう。甲府市と山梨市は以前からあるが、甲斐市と甲州市は合併によって名付けられたが、何度来てもピンと来ない。特に甲州市なんて、ワインで有名な「勝沼」や古刹のある「塩山」の方がずっと知名度があり馴染があるし、甲州なんて中国の広州を思い出してしまう。まあ、いわゆる弱者連合的に合併した町は、旧来の名称を付けると将来に渡って色々軋轢を残すことがあるから、ここは一つ”大人の対応”ということでこうなったんだろう。

 

そんな甲府盆地を走っていたら、新たにこんな町があることを知った。国道20号線、いわゆる甲州街道を走っていた。道路標識は左に曲がれば甲府駅、右折すると「中央」と示されている。甲府市の中央は甲府駅周辺のはずなのに、この「中央」とはどういうことか。あとで地図で確認すると、なんと「中央市」という小さな市があるではないか。この市は知らなかったなぁ。山梨県の中央は甲府市のはずなのに、人口20万人にも満たない日本で一番人口が少ない県庁所在地をあざ笑うかのように、こんな名前を付けるなんて、大したもんだ。きっと物議を醸したことだろう。

 

この甲府盆地のカオス状態に比べれば、盆地周縁部にある「南アルプス市」なんて実に良心的。当時「日本初のカタカナの市名」とかなり話題になったが、先の甲府/山梨/甲斐/甲州/中央の山梨五羽ガラスと比べれば、3000m級の山々が連なる南アルプスの麓の町のそのまんまの名称は実にわかり易い。でも、もしこの町出身の人が他の地で会話したならば、こんな会話になるのかな。

 

「君はどこの県の出身かね?」
「はい、山梨県です」
「ほう、山梨かね。で、山梨はどこだね?」
「はい、南アルプスです」
「えっ、あんな高い山に住んでいるのかね!」

 

という会話になりそう。

 

そうやって、他県のことをとやかく言うが、私が住む静岡県はどうか。合併はもちろん多々あったが、訳の分からない地名になった町は無い・・・?。いやいやあった!。伊豆半島の内陸部に隣り合って存在する「伊豆市」と「伊豆の国市」だ。実に紛らわしい。地理には詳しい私でも、地元なのに「あれ、どっちがどっちだっけ?」と今でも確信を持って答えられない。どちらも有名な温泉地を擁しているのに、それらを使わずこうなったのは、ほぼ全国区で知られている地名を新市名に何としても盛り込みたかったのだろう。でも、あまり節操がないことをやると、他の地域から来る人々を混乱させるだけだ。

 

今更、市名を変更はできないだろうが、古くからの地名をもっと大事にして欲しいと思うのは、部外者の勝手な言い分だろうか。