医療は健康保険制度によってさまざまな制約を受けます。
健康保険は誰にも均等に安価で治療が受けられるという優れた制度ですが、
時代の経過とともに患者さんのニーズに合わなくなってしまい、矛盾が続出しています。
患者さんに自分の家族にしてあげる医療を提供したいと思っても、保険ではカバーできないものばかりです。
金属でない白い歯、違和感の少ない特製の義歯、二度と再発を起こさないための予防、大学で教わった歯を長期に保存する技術・・・。
それらすべてが健康保険の中では適用されません。
そういった矛盾を感じながら押し寄せる患者さんを診ていました。
自分は一体何をしているんだろう。
患者さんに予防の大切さを伝え、歯や口腔の役割を理解してもらい、いっしょに歯を守っていく。
その理想を求めて開業したのに、やっていることは道路工事のように虫歯で穴の開いた歯を削り詰め、
虫歯や歯周病の再発した歯を抜く毎日・・・。
自分は何をやっているんだろうという矛盾を感じていました。
そんな生活を送るうちに私はストレス性の病気になり3回の入院体験をすることになりました。