先日の新聞に地震により家が壊れた高齢者では歯の喪失が多いとの記事が日本老年学的評価研究チームより発表されました。東日本大震災に住家が壊れた住民は歯の喪失を経験する方があったということです。

 これは奇しくも当院で経験した「熊本地震による患者さんの口腔疾患との関係」に一致します。ストレスにより患者さんたちに歯の破折や顎関節症、歯周病の急性増悪が増えたことを昨年の日本心療内科学会で発表しましたが、東北でも同様のことが起きていることを知り意を強くしました。日本老年学的評価研究チームの研究は社会学的見地からのもので、そのメカニズムまでの考察は行われていないのですが、震災ストレスで歯を失うという結果は、これまでの研究の方向性を間違っていないと感じました。