トム・ダウド/ いとしのレイラをミックスした男 その2 | 鳥肌音楽 Chicken Skin Music

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いやぁ 良かったです日本チームのWBC優勝

8回に1点差になった時は少し嫌なムードだったんですけど

イチローと福留のためのお膳立てだったんですね

あと松中もよく打ちよく走りました


あんなに興奮してるイチローのインタビューって初めて見ました


でも松坂にもう一回投げさせとけばもうちょっと楽に勝てた気もしないでもないですが・・・




さて、前回60年代までいったトム・ダウド関連作品のご紹介

今日は70年代以降、僕も同時代で聴いていた物多くあります

 
 デレク・アンド・ドミノス いとしのレイラ 1970
 
前回とダブっちゃいますが映画の副題にもなっているように
トム・ダウドが係わった作品で一番有名なのはこれでしょうね

デユアンとクラプトンを結びつけただけでもプロデューサーの役割充分に果しているかと思います

20周年記念の3枚組ではオールマンをバックにしたJAMも聴けます


 フィルモア・イースト・ライヴ+6(デラックス・エディション)  1970
 

トム・ダウド自身が自分が係わった作品の中で一番好きだといっているアルバムがこれ

トムだけじゃなくみんな大好きな歴史に残るライヴ・アルバムです

一曲目の「ステツボロ・ブルース」のドラムとオルガンによる導入部に続いて出てくる

デュアンの粘っこいスライド・ギター

何度聴いても胸が熱くなる瞬間です


現在は「イート・ピーチ」やベスト盤などに分散していた当夜のフィルモアでの全曲を

2枚組で完全収録したデラックス盤となっていますがリミックスは勿論トム・ダウドです

トニー・ジョー・ホワイト ザ・トレイン・アイム・オン

今回この記事書くためにひさしぶりに聞いたのですが

1曲目の「アイヴ・ガット・シング」からの肩の力の抜けたカントリー・ソウルでほっこり

前回記事のコメントで江戸門弾鉄さんが言及してたジェリー・ウェクスラーとの共同プロデュース

バックはまちろんマッスル・ショールズの面々

スワンプ臭がプンプン漂ってくるアルバムです


461オーシャン・ブールヴァード+16〈デラックス・エディション〉  1974

僕にとって初めて出会ったクラプトンはこのアルバムからシングルカットされた

「アイ・ショット・ザ・シェリフ」ということでとても思い入れのある一枚です

デレク&ドミノス解散の後ヘロインで地獄を見たクラプトンが

完全復活したアルバムでジャケが象徴しているように非常に陽のイメージの強い作品

僕にとってのクラプトンはこれがスタンダードなんですよね


 ロッド・スチュワート アトランティック・クロッシング


タイトル通り大西洋を飛び越えてイギリスからアメリカに活動の場を移し

スパースターとして君臨するロッドの記念碑的アルバム

恐らくヒットが会社からの至上命令だったのでしょうが

MG’Sとマッスルショールズというトム・ダウドの

右腕、左腕ともいうべきメンバーがきっちりバックを勤め

A面ファースト・サイド、B面スロー・サイドと分けることで

シンガー=ロッドの魅力を余すことなく引き出した見事なプロデュースと思います

ドビー・グレイの「明日なきさすらい」、ダニ・ウィッテン(クレイジーホース)の「もう話したくない」

バリー・ゴールドバーク/ゲーリー・ゴフィンの「それはスポットライトではない」など選曲も絶妙

次の「ナイト・オン・ザ・タウン」ともども大好きなアルバムです


 スティルス・ヤング・バンド 太陽への旅路

そっかこれもトム・ダウドだったのか、アソシエイト・プロデューサってなんだ?

友情とライバル意識が交差するこの2人のことですからだれか仲介役がいないとすぐ分裂する恐れがある

だから前年にスティルスの「LIVE」のミキシングを担当していた顔役トム・ダウドに

仲介役(アソシエイト)をかってもらったってことなんでしょうか

スティルス・バンドのきっちりしたバックで歌ういつもと違うニールが楽しめるアルバムになっています


しかし、案の定というか仲介役のいなくなった二人のツアーでは早々にニールが逃亡し

途中キャンセルとやっぱこの2人らしい結末になりました


Lynyrd Skynyrd One More From the Road  1976

オールマンと並ぶサザン・ロックの雄レイナード・スキナードのライヴ・アルバム

レイナードといえばアル・クーパーがプロデュースというイメージが強いのですが

「Gimmy back my bullets」以降はトム・ダウドがプロデュースしています

オールマンが元祖ジャム・バンドという感じで演奏主体なのに比べ

シングル・ヒットも多いレイナードはよりポップで親しみ易い存在でした

特に「フリーバード」は南部の若者のアンセムといっても良いくらいの人気です


 Firefall Elan  1978

これもトム・ダウドか

グラム・パーソンズ脱退後フライング・ブリトー・ブラザースにギター/ボーカルで加入した

リック・ロバーツが結成したカントリー・ロック・バンドの3枚目

1st収録の「ユア・ザ・ウーマン」のスマッシュ・ヒットもあってポスト・イーグルス的扱いされていました


 Kenny Loggins Keep the Fire  1978


ロギンス&メッシナー時代のカントリー・ロックからAORへと完全に衣替えをしたソロ3枚目
マイケル・マクドナルドと共作した「明日に向かって(This is it)」を収録

この後産業ロックっぽい「ハイ・アドベンチャー」を経て「フット・ルース」の特大ヒットを生みます


80年代以降は本人の意志か、それとも大物になりすぎて周りが敬遠したのか

エリック・クラプトン、ロッド・スチュワート、オールマンといった常連組との仕事はありますが

新規アーチストってのはまりなくなっていきます


そして90年代忘れかけていたトム・ダウドの名前をまさかこの人達のアルバムに発見するとは

Primal Scream Give Out But Don't Give Up

音楽性をアルバム1枚ごとにころころ変えることで有名なプライマルスクリームの4枚目

このアルバムは冒頭の「JAILBIRD」を聞いていただければ一目(耳)瞭然ですが

南部指向が顕著だった「メインストリートのならず者」の頃のストーンズを彷彿とさせてくれます


メンフィスでルーツ・ロックを録音となれば「トム・ダウド」という看板しかないと思ったのでしょうか

トム・ダウド以外にもミキサーとしてジョージ・クリントンや

ジム・ディッキンソン(キーボード)、ハートブレイカーズのベンモント・テンチ(キーボード)

マッスルショールズのリズム・セクション、デヴィッド・フッド(ベース)とロジャー・ホーキンス(ドラム)

そしてメンフィズ・ホーンズと

その手の音を作るのにまたとないメンバーが集められています


90年代以降のストーンズよりもよほどストーンズらしい音になっていますので

未聴のストーンズ・ファンの方はぜひ聴いてみてください


以上でトム・ダウド特集は終わりです

もちろんこれ以外にも(特にジャズやR&Bで)素晴らしい仕事はいっぱいあります

しかし自分がちゃんと聴いてておすすめできるものということでピック・アップさせていただきました


その他のトム・ダウドの仕事についてはコチラを参照してください→ AMG

映画のHPはコチラ→ http://www.uplink.co.jp/tom_dowd/index.php

ロック・ファンだったら見ていて損のない

特にクラプトン、オールマンのファンだったら絶対見とくべき映画だと思います

僕も絶対見にいきます、早く日程きめてください 第七藝術劇場さん!