やはりドームのリングは遠かった…

雰囲気を身体で感じ、
帰って後日アマプラで見返す。

《ユーリ阿久井政悟vs桑原拓》
一度敗れた相手に、世界タイトルマッチでリベンジというシチュエーションは、チェヨンス―三谷大和を思い出す。
日本人対決ではあったかな?

桑原、動いて打って自分のボクシングをしているようで勝負をかけれてない印象。
ユーリはダラキアン選手と変わらず、プレスをかけて追い続ける。

桑原は体裁を整えうまく戦っているように見えてるだけで、ユーリの圧力に対抗出来てないように感じる。

そりゃ世界に挑戦するほどのボクサーだし、意地を見せる場面もあるかもしれないけど、ユーリは終始自分のペースで楽に戦っているんじゃないか。
たまにガードを解くユーリの対応はペースを変えるための挑発ではなく、余裕なんじゃないかなとも思う。
桑原は再戦を迎えるにあたりどんな用意をしてきたのだろうか。
正直なところ工夫は見えない。
ユーリの圧が桑原の対策を潰しているのか。
結局何も起こらず(といえば失礼かもしれないが)、淡々着々とユーリがゴールテープを切った。


《井上拓真vs石田匠》
さてさて拓真の覚醒が本物かを見る。
例えばアンカハスと同じサウスポーを相手にした和氣慎吾戦。
違ったのは打った後、当てた後の距離。
さて今回は…
なんて思ってたら初回、ジャブのカウンターで拓真ダウン。
しかし冷静だなぁ。
こういうことは常に織り込み済ということか。
左でも刺し勝ってるぞ。
右アッパーもいい。
簡単にポイントのビハインドを取り返してこれからどうする。
終わってみたら、失点はほぼ初回のダウンだけ。
前戦の快勝も、初回のダウンも関係ない。
負けたら意味がない。
ある意味見事な試合運びだ。


《ジェイソン・マロニーvs武居由樹》
内野席上段の遠い位置で出来得るだけ肉眼で見ている限り、武居が勝った(勝ち切った)ようには見えなかった。
膨張色である白のグローブの動きが見栄え良く感じられたのかな?

ここまでの武居は正直なところ試される相手と戦っていないし、階級を落とし始めてからは魔法が解けたような印象も持っていた。

見返して思ったのはマロニーが武居のスタイルをすごく警戒していて、これじゃあマロニーにポイント与えられないよということ。
そして意外と武居はうまく戦っていたんだなということ。

武居は異競技から転向してきてまだ9戦目である。
充分に立派なボクシングなのだが、従来の日本人的な物語ではなく、もっとスペクタクルな戴冠劇を期待したかった。
王座奪取時の印象って、やっぱり大きいから。

期待は素人傍観者の勝手だけど、世界レベルでの成長を楽しみにしたい。


《井上尚弥vsルイス・ネリ》
緊張は感じない。
でも気合が入ってる、というより気負っているように見える。
さすがのモンスターも東京ドームは特別か。
しかし松本圭佑デカいな。
いつまでフェザー級でいられる?

レフェリーのマイケル・グリフィンは、山中慎介さんとネリの試合をを裁いた方。
そんな因縁も用意されていたのか。

やっぱり力入ってんなぁ。
井上ダウン!
でも表情が変わらない、すごいな。
初めて起こったことなのに、
それでもそれさえも含めて準備していたのか。
全くを持って感心した。

現地では驚いた。
表情の見えない遠くからは少し心配もした。
しかししかし…

やはり井上の時間だった。
ボディで悶絶と思っていたけど、
顔面で倒したい気満々だな。

未経験なことすらも周到な事前準備とフレキシブルな対応力。
そして見事なクロージング。
ビジネス書でも書きますか?

しかし全部持ってくなぁ。
改めて現地で体感出来て良かったと思う。

後日WOWOW放送で録画希望。