早く終わると呑み時間が長くなる。
ドームの試合終わりと重なり、飯田橋方面へと歩き、呑み屋を探す。

2日後はこのドームで…
34年前、36年前の2度の東京ドームを現地で体感した世界的カメラマンもその場に加わってくださり、誰もが当時の話と現在との比較を聞きたかったはずなのに(もちろんお話は伺ったが)、いつの間にか話題は90年代に。
そして酔うとたまに起こる、「後楽園ホール史上最大のフルハウス、鬼塚勝也−中島俊一再戦はどの位置で見ていた問題」が沸き上がる。
中には、「タイソン−ラドック初戦を観に行っていたので日本にいなかった」という強者がいましたが。
そしてなぜか、当時としては珍しく海外でキャリアを積んだ平原直弥の戦歴へと話題が飛ぶ。


《佐藤竜冴vs上原慶仁》
佐藤の胸のタトゥーはしっかりとペイントされている。
そして1戦1無効試合と珍しい戦績の上原。
確か試合が終わって何ヶ月か経ってから、結果が変更された。

試合は3R、上原の右目上のカット(ヒッティング)にドクターチェックが入り、ストップが宣せられる。
TKOタイム、3R1分23秒。


《中村翔氣vs鈴木丈太朗》
新人王の初戦だが、共にアマ歴がある。
帝拳ジムの選手が新人王戦に出るのは珍しく感じるな。
(昨年まで赤井英五郎が毎年出てたんだけど)

両選手、デビュー戦と思えぬすごい応援。
もしかしたらこの日一番の歓声かも。

鈴木の右が上下に決まる。
右ボディ、何度か効いたか?
中村も声援に押されて最後まで手数を出して闘志を見せ続けた。
採点は3者共に39−37で鈴木。


《高優一郎vsワン ユウチ》 
高は最近のアマ出身者には珍しいファイター型なのかな。
左を突きながらのプレスし、左ボディそして右アッパーに繋げる。
それでも最近の中国選手は侮れない。闘志を見せて打ち返す。

高は近い位置でもステップして、ポジションを変えながら左右を打ち込む。
回転力は素晴らしいが、強強強でメリハリに欠けるかな。
固まった展開を変えられず、最終のゴングを聞いたけど、果敢に打ち合い最後まで頑張る相手に、すごく良い経験になったと思う。
採点は3者共に60−54で高。


6月1日のタイトルマッチの発表と、3月の月間表彰の選手達がそれぞれリングに上がる。

ベルトを持ってリングインした藤田健児だけど、対戦相手のアナウンスはなかった。
誰と戦うの?後日発表?


《川満俊輝vs安藤教祐》
開始から身体を振って、プレスの川満。
前進しながら回転力を上げていく。
左フック上下、右から左の返し。
合わせたい安藤だが、川満の圧に押され、バランスを崩す場面も。

徹底した攻撃力でポイントを積み上げていく川満は、5R終了の途中採点でも、フルマークが一人と49−46が二人でリード。

しかし安藤のビッグパンチも度々ヒットする。
3Rの右で一瞬動きが止まり、4Rには右アッパーで顔面を跳ね上げられた。

あれだけ削っても、いいパンチが当たるから相手も元気になる。
タイトルマッチでのリベンジ。
安藤の方にこそ、燃える理由がある。

それでも6Rに勝負を決めた川満。
気持ちの強さを存分に見せたけど、課題はやはりディフェンスかな。


《坂井祥紀vs豊嶋亮太》
初戦は豊嶋が、フィジカルを活かして圧をかけて距離を潰していた。ガード固めて左ボディ。
坂井も受け止めて返すが、もっとジャブを打つスペースが欲しかったんじゃないかな。
両者充分なスタミナを見せるけど、豊嶋が押し切った。

それと比べると、開始の豊嶋は前に出るけど前戦よりも距離がある。
坂井の方が動いて、ジャブ、右ボラード、ボディとうまく戦っているように見える。
坂井優勢に見えた前半だけど、途中採点は3者共48−47のスプリットと、思っていた程のリードではない。
そうなると後半の坂井は少し苦しいか?
プレスの強度、追い足を上げていく豊嶋。
坂井は初戦よりうまく戦っている様に見えるけど、押されてやっぱりしんどいか。
それとも意外な小差の途中採点に、戦い方に迷いが出たか。
豊嶋の前進は、採点に届いたか。

スコアは3者共に96−94のスプリットで、豊嶋が逆転。
坂井は巧く戦っていただけに残念。
しかしインターバルで、本田会長や浜田代表から直接指示の入る帝拳スタッフのプレッシャーも半端ない?