前回の井上尚弥−ディバインの時は、ホールのW東洋戦(坂−木村、内藤−麻生)を見に行っていた。
初めての両国は、ユーリ海老原の戴冠試合(とミッキー・ローク笑)。
額が腫れ上がった大橋秀行さんを枡席から見ていた。
期待を込めてリングサイド席を買った渡辺雄二さんは顎を割られた。
畑山隆則さんの両国三連戦。
戸高秀樹さんのスウェーに空を切り続けた名護明彦さんの右フックまでは90年代。
坂本博之さん、セレス小林さん、長嶋健吾さん、福島学さん、保住直孝さん…
世界に届かぬ日本人チャレンジャーを見続けた2000年代初頭。
西岡利晃さんvs中島吉兼さん
長谷川穂積さんvs鳥海純さん
仲里繁さんvs木村章司さん
メイン級の3カードを従えた新井田豊さんとノエル・アランブレットのWBAミニマム級正暫統一戦以来だろうか。
翌年から10年近く、名古屋赴任。
ということは約20年振り!
懐かしい両国国技館。
当時は感じなかったけど、すごく見やすい会場だった。
初めて生で見たのは、井上拓真4戦目、中谷潤人2戦目。
そして田中恒成はデビュー戦から生観戦している。
正直なところ、いつ終わらすかという目で見ている。
圧倒してくれると信じている。
振って出てくるバカセグアに、新しく手に入れたカウンターの炸裂を待っている。
これまでの勢いで押し潰すではない、3年2ヶ月かけて練り上げたディフェンスとの融合。
初見で見惚れたステップワークではない、敗北から積み上げてきたボディワーク。
試合後の田中の顔には傷一つない。
身を屈め、頭が低くなるバカセグアに、何度もアッパーを突き上げ、そしてボディへとパンチを集める。
8R残り30秒、田中は左ボディを効かせ、右を叩きつけて連打。
必死にしがみつくバカセグアにカウントが入る。
もう決めなくてはいけない。
イメージしているのは、カリージョ戦のカウンターからのストップ。
しかし…
決めるべく田中は、何度も右ストレートを打ち込むが、必死にしがみつくバカセグアに、最終ラウンド終了のゴングが鳴らされる。
判定に問題はない。
4階級でタイトルを獲ることは素晴らしい記録だけれど、
偉業を成し遂げたばかりのボクサーに申し訳ないのだが、次に期待している。
それがその時の素直な感想だったりする。
そんな素人傍観者の思い込みより、まず獲ることが大事だったのだろうか。
大人のボクシングを披露したのか。
でも後に続く2人のボクシングを見て、少しだけ悔しい思いをしたかもしれない?