本日、スーパーフライのタイトルを返上した中谷潤人が、バンタムへの転級初戦でWBC王座に挑戦する。
90年代のファンにとって階級に変わりはないものの、承認団体の増加と、やはり最近では配信マネーの影響も大きいのかなぁ…
せっかく獲ったタイトルをすぐ返上し、前哨戦すら挟まずにタイトル挑戦のチャンスが訪れる。


世代的に最初の事例は畑山隆則さん。

スーパーフェザー級のタイトルを、ラクバ・シンに痛烈KOで奪われてから1年後。
有明で見た戴冠劇は衝撃で、痛快だった。
勝利のリング上、次期挑戦者に坂本博之さんを指名した第二章は素敵な物語。


遡って思い起こされるのは、エステバン・デ・ヘススに敗れた後のガッツ石松さん(対センサク・ムアンスリン)とウィルフレド・バスケスとの激闘ドロー後の六車卓也さん(対ファン・ホセ・エストラーダ)か。
どっちもリアルタイムではないけど。


2つ目の成功事例は長谷川穂積さん(WBCバンタム→WBCフェザー決定戦)かな。
すみません、ここではリナレスを除外しています。

そして井岡一翔へと続くのだと思うけど、ライトフライのレギュラー決定戦は成功したが、フライ級では失敗。
この辺りはTBS大晦日興行と、多団体承認と、WBAのスーパー&レギュラー&インテリム時代の合せ技かな(笑)

八重樫東さんの下階級への転向(WBCフライ→WBCライトフライ決定戦)は、ちょっと意味合いが違う気がする。


当たり前の様に繰り返し、全てを奪っていく井上尚弥。
田口良一さんは石松さんと六車さんの同パターン。
田中恒成も1度は屈した。

さて中谷潤人は?

でも井上尚弥にしろ、中谷潤人にしろ、「転級して自分より大きなものへと挑戦する」というロマンは感じられずにいる。
それを感じられるのはもう少し先か。

今回の挑戦に、中谷がキャリアで1番苦戦したと思われるフランシスコ・ロドリゲス戦の例が挙げられているのを見たけど、只管前進してきたロドリゲスに比べ、ドネア戦のサンティアゴは結構足を使って、距離を取りながら入ってきた印象がある。

「中でも、外でも」自分の幅を見せたがる中谷。
それがうまくはめ込めなかったのがロドリゲス戦だと思うが、今回は果たして?