10何年か振りに、突然見たくなった試合がある。


渡辺雄二vs植田龍太郎
葛西裕一vs阿部真一第2戦

1991年5月と1992年12月に行われた両試合。

まだ自分がボクシングを見始めて間もなく、それほど多くの映像を持っていたわけではないので、まさしく当時ビデオが擦り切れる程見たのではないだろうか。

個人的にだけど、世界を獲って欲しいと願ってた両者だった。
持ち合わせる明るくて爽やかな雰囲気に、ボクシングのイメージを変えてくれる存在になれるのでは…なんて期待していた。


まずは渡辺雄二vs植田龍太郎、ビデオから移したDVDを取り出す。

録画されている試合一覧を見るだけでいろいろ想いに耽る。

大橋秀行vsジュリアス・プラナス

これはリカルド・ロペスに敗れ、WBC王座陥落後の再起戦。

当時、試合ポスターの販売をやっていて、ヨネクラジムに現金書留送ったなぁ…

そしたらポスターに大橋さんの直筆サイン入で送られてきたのに感激した。
そんな思い出が蘇る…


ロッキー・リンvs細野雄一

この年のリンは、一時期のリック吉村さんみたいに、キッチリとテレビ枠を埋めるべく?定期的に防衛戦を行い、この1年で4度の防衛に成功したのでは。

そして細野雄一さん。
タイトル挑戦で敗れた後の再起戦を、たまたま後楽園ホールに見に行った。
さらにその後2ヶ月もせずに、世界ランカーのアラビラモア木村と対戦してドロー。
翌年韓国で実現する、世界初挑戦への足掛かりとなった。

そのアラビラモアと対戦した興行のメインこそ、渡辺雄二が赤城武幸に挑戦した一戦。


何となく繋がった気分になってDVDを差し込む。



が、

ガーン!

読み取り出来なくなっていた!!


しかし何で当時この試合だったのだろう…

わかりやすい殴り合いだった様に記憶している。

You Tubeであるのかな?


仕方ないので、他の渡辺雄二さんの試合を取り出す。


赤城武幸戦

ヘナロ・エルナンデス戦

クリス・サギド第2戦

ウィルフレド・バスケス戦




赤城武幸に挑んだ日本タイトル初挑戦のリング。

あの右が当たってしまったから…
赤城武幸はリングプランを変えて行ってしまったのだろうか?



新旧交代
明と暗

手垢のついたような表現だけど、そこまで見事なコントラストの試合って意外とない。

この試合、日本タイトルマッチでありながら、翌日サンスポの一面を飾っていた。

正に平成ボクシング黄金時代のライジングスター!


そしてヘナロ・エルナンデスへの世界初挑戦へと向かうのだけど、実際の世界との差は置いておいて、すごい期待値だったんだろうなぁと改めて思う。

フジテレビも気合入っていた!

当時の日本のリングでは画期的な?アメリカのリングのマネをして、リングロープをまとめるやつにフジテレビのロゴ入れて、取り付けていた。

でも多分見様見真似で付け方間違ってたんだろうなぁ…
エルナンデスの左フックが、不必要なまでに引っ掛かってたし(笑)



でも本当に、太陽の様な雰囲気で、まっすぐまっすぐどこまでも伸びていくという感覚(願い)はここまでだったかなぁ。

2戦後のマルコス・ゲバラ戦は東京都体育館で見届けたけど、世界ランカー対決に破れ、ブランクを作って以降の渡辺雄二さんは、髭を蓄えたり、明るさの中にも、何か変えようともしていたのかな?


クリス・サギド再戦、歓喜のOPBFフェザー級王座奪取。


しかし戦績を見る限り、この戦歴でWBAのフェザー級とスーパーフェザー級で1位にランクされるのだから、期待もされていたし、恵まれてもいたのだろう。



ウィルフレド・バスケスへの2度目の世界挑戦。
渡辺コーナーにマッククリハラが就いている。

有名トレーナーだからといって、誰にでもフィットするという訳ではない。

坂本博之さんに就いた時のイスマエル・サラス然り、高名なトレーナーは人と違うことをやって自分を出したがるのだろうか?

その時の二人の戦いを見るとそんなことを思ったりする。

渡辺雄二さんのアウトボクシング
坂本博之さんのデトロイトスタイル


しかしこの試合は現地で見ていて、単純に
「バスケスつえー」
って思った。


こんな素直に相手スゲーって思ったのは、この頃だったら名古屋までアイザック・セントワを見に行ったはずなのに、その圧勝に目を奪われたレイナンテ・ハミリかな。


さらにこの日は両国駅で、バスケス陣営の中にいたエドウィン・ロサリオに会って、サインもらった思い出がある。


日本ボクシング90年代の象徴といえば、89年9月にデビューし、99年8月に最初の引退を表明する辰吉丈一郎さんが、実績としても、期間としてもこれに当たるのだろう。

だけど90年5月にデビューし、2000年の10月にラストファイトを迎えた渡辺雄二さんも、90年代を駆け抜けたスターボクサーだった。



ダラダラと長くなってしまった。
葛西裕一さんへの思いの徒然はまた今度だな。