✝失われた主(AI ART)
30世紀に至って文明はロボロイドと言う自立型人工知能による労働力に依存している。
自分も1体ロボロイドを従えていて身の回りの事をすべてやってもらっている。
ロボロイドは自立的に行動するだけでは無く、自分の仲間さえ自分達で生産して増やしている。
セントラルシティにあるロボロイドプラントにはこれも自立的に思考する生産ロボットがあり、
言わば女王アリの様に労働者を生産している。
そしてロボロイドプラントのメンテナンスはロボロイド自身が行うのだ。
こんな事がもう何百年も行われている。
しかし革新的な技術の発展は無く、文明は停滞している。
ロボロイドを従え、教会に行く。
どの教会にも神の姿を見る事ができる。
そしてその神々しい姿を見ると癒されるのだ。
自分はアキバ製のスピーカー(音声発生装置)を首に装着している。
声帯付近の筋肉や神経から微弱な電流を拾い、音声に変換するのだ。
この装置のお蔭で日常に不便を感じた事は無い。
その「スピーカー」でロボロイドに礼拝堂の外で待つように伝える。
教会の礼拝堂から出ると敷地内にあるトイレで用を足す。
足ふきマットに丹念に足を擦りつける。
潔癖症って事でも無いがいつもの習慣になっている。
しかし必要以上に足を擦りつけた勢いでマットを飛ばしてしまった。
「ロボロイド!すまん、元の位置に戻しておいてくれ!」
「かしこまりました。」とロボロイド。
教会の参道にはモニュメントがあり「大惨劇」の伝説について書かれたプレートが飾ってある。
エイズの様に変化を続けエボラの様に致死率の高い、
抗体が存在し無い細菌兵器を使用した最後の世界大戦の事だ。
温暖化が進み、住み辛くなった地域の国家、赤道同盟及び南半球連合が北半球に大移動したのだ。
そして北半球のユーラシア連邦はその細菌兵器を使い、迫り来る異民族たちを食い止めようとした。
ウイルスは短期的な寿命ですぐ安全な状態になる筈だった・・しかしウイルスは変異したのだ。
そして双方の民族で生きながらえた者は居なかった。
ウイルスの影響を受けなかった我々は生き延び、以前より更に進化した。
我々が愛した「神」がこの世から去って久しくなる。
この世界が未来永劫繁栄を続けます様に・・。
別の者がトイレに入り彼のロボロイドに「マットを飛ばしてしまった!」と言うのが聞こえた。
自分だけじゃ無かった。
「他の者もマットを蹴るのが好きなようだ。」
「御先祖たちが排泄物を土で隠す為に行っていた行動が本能で残っているのです。
マットは蹴る為に置いてあるのではありません。床を傷付けない為に置いてあるのですよ。」
「生意気な事を言うな!ロボロイド、機械のくせに何が分かると言うのだ!
お。そう言えばそろそろドッグランで会合の時間だ!」
「クロマル様、あの白いプードルのお嬢様と会うのですね?」
「まぁな」と言うと俺はロボロイドに余所行きの首輪に付け替えてもらいながら激しく尻尾を振った。
終
自分も1体ロボロイドを従えていて身の回りの事をすべてやってもらっている。
ロボロイドは自立的に行動するだけでは無く、自分の仲間さえ自分達で生産して増やしている。
セントラルシティにあるロボロイドプラントにはこれも自立的に思考する生産ロボットがあり、
言わば女王アリの様に労働者を生産している。
そしてロボロイドプラントのメンテナンスはロボロイド自身が行うのだ。
こんな事がもう何百年も行われている。
しかし革新的な技術の発展は無く、文明は停滞している。
ロボロイドを従え、教会に行く。
どの教会にも神の姿を見る事ができる。
そしてその神々しい姿を見ると癒されるのだ。
自分はアキバ製のスピーカー(音声発生装置)を首に装着している。
声帯付近の筋肉や神経から微弱な電流を拾い、音声に変換するのだ。
この装置のお蔭で日常に不便を感じた事は無い。
その「スピーカー」でロボロイドに礼拝堂の外で待つように伝える。
教会の礼拝堂から出ると敷地内にあるトイレで用を足す。
足ふきマットに丹念に足を擦りつける。
潔癖症って事でも無いがいつもの習慣になっている。
しかし必要以上に足を擦りつけた勢いでマットを飛ばしてしまった。
「ロボロイド!すまん、元の位置に戻しておいてくれ!」
「かしこまりました。」とロボロイド。
教会の参道にはモニュメントがあり「大惨劇」の伝説について書かれたプレートが飾ってある。
エイズの様に変化を続けエボラの様に致死率の高い、
抗体が存在し無い細菌兵器を使用した最後の世界大戦の事だ。
温暖化が進み、住み辛くなった地域の国家、赤道同盟及び南半球連合が北半球に大移動したのだ。
そして北半球のユーラシア連邦はその細菌兵器を使い、迫り来る異民族たちを食い止めようとした。
ウイルスは短期的な寿命ですぐ安全な状態になる筈だった・・しかしウイルスは変異したのだ。
そして双方の民族で生きながらえた者は居なかった。
ウイルスの影響を受けなかった我々は生き延び、以前より更に進化した。
我々が愛した「神」がこの世から去って久しくなる。
この世界が未来永劫繁栄を続けます様に・・。
別の者がトイレに入り彼のロボロイドに「マットを飛ばしてしまった!」と言うのが聞こえた。
自分だけじゃ無かった。
「他の者もマットを蹴るのが好きなようだ。」
「御先祖たちが排泄物を土で隠す為に行っていた行動が本能で残っているのです。
マットは蹴る為に置いてあるのではありません。床を傷付けない為に置いてあるのですよ。」
「生意気な事を言うな!ロボロイド、機械のくせに何が分かると言うのだ!
お。そう言えばそろそろドッグランで会合の時間だ!」
「クロマル様、あの白いプードルのお嬢様と会うのですね?」
「まぁな」と言うと俺はロボロイドに余所行きの首輪に付け替えてもらいながら激しく尻尾を振った。
終



