二木島駅発行 自由席特急券 乗継割引用常備券 | 菅沼天虎の紙屑談義

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交通機関を利用する為の切符・・・一般の方々にとっては使い終わってしまえばタダの紙屑で、最後は係員に渡して終わりになるモノです。
そんな紙屑に夢中になってしまった大馬鹿モノの戯言にお付き合い下されば幸いです。

昭和56年8月に紀勢本線二木島駅で発行されました、「尾鷲→200kmまで」の自由席特急券で、乗継割引用常備券となります。

 

 

大阪印刷調製の券で、乗車駅の「尾鷲」は印刷されています。

 

特急「南紀号」から名古屋で東海道新幹線への乗継割引用の券で、乗車駅の「尾鷲」は発行駅の「二木島」の名古屋方の特急停車駅となり、二木島から尾鷲方面へ向かう普通列車が、尾鷲で特急「南紀号」を待避するケースが多く、尾鷲での接続は良好でした。

 

 

 

 

 

当時の二木島駅には、名古屋とは反対方向の「熊野市」乗車となる「熊野市→400kmまで」の自由席特急券も、乗継割引用の常備券の設備がありました。

 

 

同じ時期の昭和56年8月発行の券で、こちらも乗車駅の「熊野市」は印刷となっています。

 

熊野市から名古屋までの営業キロは200kmを越えるため、特急料金も「400kmまで」の適用となり、最初にご紹介いたしました「尾鷲」乗車とは適用される特急料金のキロ帯が異なるため、乗車駅を記入式とした1種類の券で双方の乗車駅に対応させる事が出来ないため、乗車駅が印刷された常備券を別々に設備していたものと考えられますが、乗車駅を記入式とした乗継割引用の準常備式の券では間に合わない程、乗り継ぎ割引の自由席特急券の発売が多かったとは思えないのですが・・・

 

二木島から熊野市へ逆方向に乗車し、熊野市から名古屋ゆきの特急「南紀号」に乗車する場合、朝の「南紀2号」以外は接続が悪く、「南紀2号」に尾鷲から乗車する場合でも普通列車との接続は良かったため、尾鷲乗り換えよりも発車が早い普通列車に乗車して、乗車券も特急券も割高となる熊野市乗り換えを選択する事由は、自由席への着席率を高めるぐらいしか思い当たりません。