函館バス株式会社 江差より 俄虫ゆき | 菅沼天虎の紙屑談義

菅沼天虎の紙屑談義

交通機関を利用する為の切符・・・一般の方々にとっては使い終わってしまえばタダの紙屑で、最後は係員に渡して終わりになるモノです。
そんな紙屑に夢中になってしまった大馬鹿モノの戯言にお付き合い下されば幸いです。

昭和33年に函館バス江差営業所で発行されました、「江差より 俄虫ゆき」の乗車券です。

 

 

函館バス旧社章連続赤地紋となります。

 

発地の「江差」はゴシック体の活字ですが、着地の「俄虫」は明朝体の活字となっており、国鉄の一般式乗車券と比較して発着表記の用いるフォントが逆になっています。左側に縦方向に記載された注記事項の有効期間は「當日限有效」と記載されており、「當」の旧字体の活字が用いられています。

 

 

 

 

 

裏面です。

 

 

硬券ではありますがボール紙のような紙質で、裏面の紙色は茶色がかっています。

 

通常の硬券では、券番は左右の端部2ヶ所に縦方向に記載されるのが一般的ですが、この券は券の中央に横方向に1ヶ所のみの記載となっています。

 

 

着地の「俄虫(がむし)」は、現在の檜山郡厚沢部町本町付近と推察され、旧村名に「俄虫村」が存在しておりましたが、現在は住居表示の地名としてもバス停名としても「俄虫」の名称は使用されておらず、厚沢部町を通る国道227号線の橋梁名に「俄虫橋」、温泉旅館名に「俄虫温泉」の名称が残っています。