水戸自営発行 JRバス関東 特殊回数乗車券 | 菅沼天虎の紙屑談義

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交通機関を利用する為の切符・・・一般の方々にとっては使い終わってしまえばタダの紙屑で、最後は係員に渡して終わりになるモノです。
そんな紙屑に夢中になってしまった大馬鹿モノの戯言にお付き合い下されば幸いです。

「水戸自営発行」と印刷されました、「JRバス関東 特殊回数乗車券」で10円券綴りとなります。

 

 

 

JRE地紋券となります。

 

発行箇所は「水戸自営発行」と印刷されておりますが、「水戸自営」とは「水戸自動車営業所」の略記で、昭和63年4月1日に「東日本旅客鉄道」から「JRバス関東」が分社された際に、国鉄時代からの現業機関名である「水戸自動車営業所」は「水戸営業所」に変わっており、JRバス関東の「水戸自動車営業所」は存在しておりませんので、この券の発行箇所の「水戸自営発行」は誤表記と言う事になります。

 

想像するに、この券は「JRバス関東」への分社を控えて「東日本旅客鉄道バス」時代に印刷が発注された可能性があり、発注した段階では「水戸自動車営業所」であったため、現業機関名の変更を考慮せずに「水戸自営発行」として発注し、印刷されてしまったものでしょうか?

 

「JRバス関東」の券ながら、この券の地紋は「東日本旅客鉄道」のJRE地紋であり、拙ブログの2020年4月4日のエントリ「水戸営業所発行 JRバス関東 普通回数券(B)」にて、「東日本旅客鉄道から「JRバス関東」へ分社された当初は、JRB地紋が間に合わずに、暫定的に以前の東日本旅客鉄道時代のJRE地紋で調製された可能性が・・・」と申しましたが、この券も同様の事由でJRE地紋となっているものと考えられます。

 

この券は、昭和63年末に水戸駅北口のJRバス窓口が廃止となり、平成2年頃に復活するまで水戸駅にJRバス窓口が無かった時代に購入した券で、最初はかつて水戸駅南口側に国鉄バス時代からあった「水戸営業所」を訪問したのですが、移転した事を知らなかったので、もぬけの殻となった営業所に驚き、北口へ戻って「水都東本線」のJRバスの運転士さんに移転場所を伺って、現在の「城東車庫」である「水戸営業所」を訪問して購入した券で、先に申しましたように、水戸駅にJRバス窓口が無かった時代で、定期乗車券は水戸駅の鉄道窓口で発売されておりましたが、回数乗車券はバス車内で「セット回数乗車券」を購入する旅客が殆どで、ワザワザ駅から離れた営業所まで行って回数乗車券を購入する物好き?は居なかったようで、「JRバス関東」発足から1年以上が経過した時期の購入ながら、余り需要の多くない10円券綴りの券と言う事もあってか№0001の券が残っておりました。

当時の「水戸営業所」には10円券綴りだけでなく、その他の金額の「特殊回数乗車券」も設備があったものと思われ、券によっては「水戸営業所発行」と印刷された券が存在していた可能性もありますが、今回ご紹介いたしました最安の券だけを購入して満足してしまい、確認しなかった事が悔やまれます。

 

国鉄バス時代からの様式を引き継いだ「JRバス関東 特殊回数乗車券」が存在しておりましたのは、分社後の数年間だったようで、後に現在も発売されております、JRB地紋で[関]の発区分記号が印刷された、金種によって地紋色の異なる「JRバス関東 回数乗車券」に切り替わっています。