上総中野駅発行 特殊補充券 | 菅沼天虎の紙屑談義

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交通機関を利用する為の切符・・・一般の方々にとっては使い終わってしまえばタダの紙屑で、最後は係員に渡して終わりになるモノです。
そんな紙屑に夢中になってしまった大馬鹿モノの戯言にお付き合い下されば幸いです。

現在は「いすみ鉄道」となりました木原線上総中野駅で、昭和55年に発行されました特殊補充券です。



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総元から上総中野までの再収受証明として発行され、原券記入欄と収受又は変更区間記入欄に押印された「上総中野」のゴム印には、旧字体の「總」の文字が用いられています。 昭和55年の発行ながら、等級制時代の古い様式の券を用いて発行されており、「特殊補充券」の文字の上の「○4」は、千葉鉄道管理局が所属していた関東支社を表します。






こちらは裏面です。


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先に申しましたように、この券の発行はモノクラス化から10年以上が経過した昭和55年となりますが、裏面の1等の通行税1割と、片道20キロメートル以内の下車前途無効の記載から、1等の通行税が2割から1割となった昭和37年7月1日から、下車前途無効の範囲が30キロメートルに引き上げられました、昭和41年3月6日までの約3年8ヶ月の間に調製された券と推察されます。


この券は改札補充券を用いて発行されたものと思われ、出札補充券に比べて需要の少ない改札補充券には古い様式の券が残っていたものと考えられますが、木原線上総中野駅は小湊鉄道への業務委託駅であり、社線管理駅については国鉄側の管理の眼が行き届かず、廃札として新券に置き換えられる事なく、古い様式の券が生き残っていたものでしょうか??