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君たちはどう生きるか (ポプラポケット文庫 日本の名作)
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最近、こんな本を授業の題材にしております。色々と考えさせられる本ですので、子供はもちろんのこと、大人にもオススメです。
これは主人公のコペル君が少年の視点から、青年に成長していく過程を内面から描いている小説です。
その中で、「油揚げ」という子が登場するんですね。親が豆腐屋さんで貧乏なため、お昼ご飯にはいつも油揚げを持ってくるが故に、このあだ名がついたようです。
そこで思い出したんですよね。私の中学時代の同級生を。彼には「むげなり」とあだ名がついていました。確か古文の授業でむげなり(意味:あまりにもひどい)が話題となり、そのまま彼のあだ名に。
彼は、中学2年生にもかかわらず、新1年生が着るような体に合わないブカブカの制服を着ていました。また制服も汚く、よく彼はからかわれていました。私は正直そんなからかっている同級生たちをしらけてみていました。ただ、「むげなり」と仲が良かったかというと、そうでもなく。
彼が中学校に在籍していたのは数ヶ月でしょうか。あっという間に他県に転校していきました。今思うと、体に合わない制服に、転校続きで、彼の家庭も色々と事情があったのだろうな、と思うわけです。
子供の視点では、そんな色々な環境があるなんて想像もしておらず、皆が自分の家庭のような所なんだろうとしか思っていませんでした。でも違うんですよね。裕福な家庭もあれば、貧困家庭もあり。
もし生徒で「むげなり」みたいな子がいたら、全力でサポートしていこう、と思った次第です。今はどこでどうしてるかな、むげなり。
そんなことを、生徒たちとディスカッションしていて思いました。