何かが違う漢字学習と計算練習:考えない人間のできあがり | みとのや先生日誌:元帰国生だから言える事

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アメリカオレゴン州、ワシントン州にある学習塾巣鴨アドバンススクール(www.sugamoadvance.com)で日々子供達と奮闘中です。

宿題の王道と言えば

漢字練習と計算の練習でしょうか。


私は生徒達のノートに書かれている漢字を見ては

こんな漢字10回も書いて何になるのだろう・・・

こんな単純計算を何回もやって何になるのだろう・・・

そんな風に考えるわけです。


数こなしていれば、時間は消化できるため

やっている感はでるのかもしれません。

お母さん達もそんなわが子を見ては

やってるな、と思えるのかもしれません。



しかし、こういった単純な反復作業というのは

人の思考回路をストップさせます。


私もアルバイトをしていた時代

単純な反復作業を長期間やらされました。

ラベルを貼っていく作業や

数を数える作業

または、仕分けをする作業です。


これをいかに速く正確にこなすか

それが目標であり目的でした。

そしてそんな作業に慣れ始めると

何も考えなくなってくるのです。

速くやるためには何も考えないのが一番。

どんどんやってしまえ、と。





高速で計算練習や漢字を繰り返し書いている小学生を見ては

あ、アルバイトと一緒だ

と思ってしまいます(笑)

ただ、それではアルバイトよりたちが悪い。

彼らは、見返りとして報酬がもらえますが

小学生は報酬の代わりに、「考えない頭」が与えられてしまう。

勉強とは、反復練習なんだ、そう思ってしまったら

わからない文章問題に直面したときに

「こんな問題やったことないから分からない」

となってしまう。


漢字に関しても、ただの記号としかとらえずに

「とにかくテストでいい点数とれれば良いや」

となってしまう。




彼らの頭の中には

いかに速く計算するか

いかに速く漢字を書き終わってしまうか、しかありません。


計算練習も、漢字の反復練習も

目的や使用法を誤ると

百害あって一利なし、なのです。


もちろん、さまざまな生徒がいるため

一概に反復練習は悪だ、と決め付けることはできませんが


教育の効果を知れば知るほど

その影響力には本当に恐ろしささえ覚えます。