生徒のことを信じ、環境を整えてあげる:子どもの成長の鍵 | みとのや先生日誌:元帰国生だから言える事

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アメリカオレゴン州、ワシントン州にある学習塾巣鴨アドバンススクール(www.sugamoadvance.com)で日々子供達と奮闘中です。

最近は気温の変化が激しいですねぇぇ。

先日は半そで半ズボンが当たり前なくらい暑く

生徒達にネクタイ姿を暑がられました 笑


私が、何度もブログを通して伝えていることの一つに

教えるのではなくて、生徒の本当の力を引き出すことが大事、ということがあります。

しかし、これが本当に難しいのです。


特に生徒が問題に取り組み、なかなか答えを出せないと

ついついこちらがあせってしまい

答えはこれでしょ!って言いたくなります 笑


そんな気持ちを抑えに抑えて

どうしたら生徒が自ら理解できるかを模索します。

解き方を教えることほど簡単なことはありません。

しかし、そんな教え方ではただの「教えて君」になってしまいますので

算数の問題であれば

数字を単純にして図を描いて

色々な角度から、生徒たちが自ら

「わかった!」と言えるような環境を作っていく。


先日も

小数の割り算がいまいち分からない生徒を教えていたのですが

0.84÷4



2.1!(答えは0.21です)

などとやっていたので

機械的な小数点の動かし方を教えるのではなくて
(機械的に学んだ子は、そのやり方を忘れると、問題が解けなくなります)

まずは

8の距離がある線を引いてから

4つずつに分けさせ
(下のような感じです)

0 ―――― 8
   ↓
0 ― ― ― ― 8

一つの線の長さは2になることを伝えます。


その後に

82の距離がある線を引き

これまた4つに分けさせ

一つの線の長さを聞きます。


今度は8.2がある線を引き

これまた4つに分けさせ

一つの線の長さを聞きます。


とやっていると

やっと生徒が

「分かった!」と言って

正解を出してくれました。


ここで私が何をしていたのか、というと

小数の割り算の法則を、生徒自ら発見してもらうために

数字を変えたり、小数点の位置を変えたりして

生徒に試行錯誤する時間を与えたのです。



この生徒が試行錯誤している間

答えはこれ!と何度も言いたくなりましたが 笑



結局、こちらがあせるということは

生徒のことを信じていない、ということなのだと思います。

私の先輩もこういっていました。

「先生が生徒を成長させるのではなく、生徒は自ら成長していくものだ。

あせるのではなく、環境を整えてあげるだけで、生徒たちは大きくなっていくものだ。」


実はこの記事の小数の計算がなかなかできなかった生徒も

数ヶ月前までは、何故だか2桁以上の足し算の暗算が苦手で

私は何度もそれを修正させようと試行錯誤しましたが

いつのまにか、できるようになっていました。

今回の小数にしても、あせっているのは私だけで

そのうち平気な顔してらくらくと小数の割り算もできるようになっているのだと思います。



子どもたちは、私たち大人が思っているようには成長していきません。

それは、身長と同じで、伸びろ伸びろと言って牛乳をいっぱい飲ませたところで急に伸びるわけではないのです。

理解しなさい、宿題しなさい、頑張りなさい

そういったところで、生徒たちは成長していくわけではありません。


大人ができることは

大丈夫、この子は絶対に成長して、幸せな人生を歩んでくれる

そう信じて、日々の子どもの言動に一喜一憂することなく

大きな心で子どもたちと接することが、大人に求められていることではないでしょうか。


一喜一憂せずに、子どもを信じる。


大人の役割とはこれに限るのではないでしょうか。