先週末は友人宅に呼ばれ、その家族と楽しいひと時を過ごしました。
人は人の中で楽しみ
人は人に支えられて生きているのだ
と改めて実感できた充実した一日でした。
私も
その一家をはじめ、多くの人の支えにより
今の自分がいると思っています。
そんな今まで支えてくれた多くの人の中に、留学して間もないときに出会った日本人夫婦がいました。
こちらの大学に留学して、まだ間もないとき
毎日のように、辞書との格闘。
とにかく毎日が嵐のように過ぎていき
特に息つく暇も余裕もなく
週末も教科書の分からない単語に赤線をひいては
単語帳を作る毎日でした。
そんな私は
パーティーにでかける友人の誘いを断っては
とにかく早く一人前に読めるようになろうと
一人図書館にこもったものでした。
しかし、そんな孤独との葛藤・はりつめた緊張感が続いて数ヵ月
とある日本人の夫婦に会いました。
アメリカ生活も長く
定年を迎えて、余生を自然あふれるところで過ごしている
穏やかな仲の良いおばちゃんとおじちゃんでした。
「ちゃんと食べてるの?」
と、まるで自分の子どもを心配するように
私に温かい言葉をかけてくれたのです。
そして、その夫婦の家に誘われ
久しぶりに楽しい日本語での会話の後
でてきたのは
グリルで焼かれた鮭の塩焼きでした。
久しぶりの日本食だな
おいしそうだな、と思い
箸を使って、一口大に切って、その鮭を口にした瞬間
おばちゃんのやさしさが身にしみると同時に
今まで一人で抱えていたつらさ、孤独さがあふれだし
私はそれ以上、何も言えなくなり、歯をくいしばって、こみあげてくるものをなんとか抑えていました。
しかし、おばちゃんは
そんな私の心を察し
「一人で辛かったわね、いいのよ、泣きたいときは泣きなさい。」 と。
その瞬間、今までこらえていたものがあふれだし、
おいしい鮭が、涙でしょっぱくなってしまったのを覚えています。
あの時からでした。
なんだか、肩の力がぬけたのは。
あのおばちゃんおじちゃんの温かい心に触れていなければ、私の留学生活も最後まで続かなかったかもしれません。
人間というのは、そんな強いものではないと思っています。
どんなときも、誰かが支えてくれており
誰かが支えてくれているから、今の自分がいる。
それを自覚し、感謝できるかどうか。
その感謝の想いで
周りの人たちを支え、ありがとうと言われるように日々を行動できるかどうか。
他者に貢献できるかどうか。
社会に貢献できるかどうか。
私は、学歴とか合格とか偏差値とかよりも
生徒たちにそういう周りの人の温かさを感じ
それに報いる人生を歩んでもらいたいと思っています。
だからといって、宿題をやってこなくていいのかというと、全く別問題ですが(笑)
そんな心やさしいおばちゃんとおじちゃんを思い出すことができた週末の楽しいひと時でした。