今日も良い天気ですね。
このブログを通して何度も伝えていることですが
子どもたちの可能性というのは
文字通り、無限大です。
こんな話をするときに必ず思い出すのが
私が個別指導の教室長をしていたときに出会った一人の生徒でした。
彼は、小学5年生の2月、つまり、小学6年生になる前に中学受験を決意した生徒でした。
クラスでは、入塾時期が遅いからという理由で、個別指導に流れてきた彼ですが
大変素直な子で、テストを受けさせてみると基礎力はあることが判明。
私は、4教科2年間分の受験カリキュラムを1年間で終われるよう設定しました。
ただし、一年間だけで、中学受験をさせるのは初めてだったこともあり
最初は、正直なところ半信半疑という気持ちでした。
しかし、彼は、それをものの見事にやりぬけ
偏差値も一気に70近くまであげて
見事、第一志望校に余裕で合格。
この時点で、私は子どもの可能性というのは
大人の想像の域をはるかに超えていると思いました。
そして、そんな彼との別れが近づいた合格発表の一ヵ月後の塾卒業生送別会のあと
「来年も、塾に勉強しにきてもいいですか?」と彼に聞かれたので
正直に話をしておこうと思い
誰にも言わないで欲しいのだけれど
と前置きをした上で
私は、そこの塾を辞めることを彼に伝えました。
そして、その場では、彼はキョトンとした様子で、こちらの話を聞いただけでしたが
最後には、「お世話になりました」と深々と頭をさげて、帰宅の途についた彼でした。
特に表情を変えた様子もなかったので
“そうだよな、別に先生が一人いなくなっても寂しくもないか・・・” と思っていました。
そして、残った仕事を仕上げるために、塾に残っていた私でしたが
一本の電話が入りました。
何故、こんな休日の日に?
と思って電話をとると
その彼のお母様からでした。
何かと思い、話を聞くと
“うちの子が、家に帰ってくるなり、泣いているのですが。ただ、理由は教えられないと言っているのです。”
と。
私は、それを聞いた瞬間に
子どもの感情の深さ、そして約束を守るその子の姿勢に深い感動を覚えました。
私は、確かに誰にも伝えないでね、とは言ったものの
まさか、お母さんにまで言わないとは思いもしませんでした。
彼の純粋さ、素直さ、これは彼の偏差値の上がり具合以上に、私の予測をはるかに超えたものでした。
こども一人一人の可能性、性格
私たち、大人はいつのまにか、子どもたちにレッテルを貼り可能性を決め付けているのではないでしょうか。
この子はこういう子。
この子は、このレベルの子。
中学受験の彼と出会ってから、レッテルを貼る無意味さを痛感しています。
なぜなら、彼らの可能性というのは、私たちの想像をはるかに超えているからです。
「レッテルを貼らないで、その子の可能性を信じる」
これも、先輩からうけた大事な指導の一つです。
そういう大人が増えてきたとき、子どもたちの可能性が本当に開花するのだと思います。