オレゴンの冬を思い出させるような雨が降った週末、いかがお過ごしでしたでしょうか?
今日もオレゴンは快晴でしたが、冬は確実にきつつあるのだな、と思いました。
さて、季節と同じように
言語習得においても、夏があれば冬があります。
ある生徒は
中学校の英文法全てを一ヶ月程度で学ぶ
という離れ業に挑戦してもらっていますが
今まで調子が良く、多少のつまづきはあったもののあまり混乱もなく、一つ一つをクリアしていきました。
しかし、関係代名詞まで来たときに、案の定、頭が混沌状態に。
なぜ疑問視が文章の途中に来るんですか!? と
(英語を第二言語として学んだ人なら誰でも経験ありますよね 笑)
この疑問が、今までの常識を覆し、頭の中に混乱を起こします。
そして、今までに彼がおこしたことのないミスなども起きるようになりました。
彼はおそらくこう思うようになるでしょう。
英語が下手になった、と。
しかし、この状況は起こるべくして起こったものです。
川を流れているときは、川が全てだと思います。
流れ、魚、景色、全てが限定的です。
しかし、それがやがて海にたどり着くと、今までの常識では理解できないことが山ほどあることに気づきます。
波、塩、魚、雄大な景色 などなど。
今までに経験してきたことは一体なんだったのか。
これが彼の頭の中でおきている事なのです。
学べば学ぶほど、今まで培ってきた常識や知識が覆されていきます。
その繰り返しが、言語習得です。
私も大学でも大学院でも、自分の英語が下手になってきているのではないか、という疑問に思った時期がありました。
しかし、努力して下手になるわけはなく
川を下り、大海を知ったときだったのです。
逆に最近は、英語力向上を怠っているために、自分の英語は下手になってきているのではないか、とは微塵も思いません(笑)
ですので、もし皆さんのお子様で、英語が下手になってきている、と言うお子様がいましたら
言ってあげてください。
海が見え始めた証拠だよ、おめでとう、と。
「上達への道のりは己の下手さを知りて一歩目」
英語習得は困難な道のりです。
われわれ大人が、子どもたちが乗り越えなければいけない壁の存在を理解することが、子どもたちの励みになるのです。