私には数多くの友人がいます。
大工さん、ケーキ屋さん、金融関係、IT関係、弁護士、看護士、医者、先生、大学教授、歌手、俳優、などなど
大学院、大学、高校などの仲間とは頻繁に会いますし、中学校でも同窓会などを定期的に行ってきたせいか、昔の仲間ともご飯を食べに行ったりします。
そして彼ら、他業種の人たちとの会話からは多くの驚きと発見があります。
先日、久しぶりに会ったのがバスの運転手をしている友人。
彼の話の中で印象に残っているのが
ノンステップバスの心地悪さ
缶ジュースも買えないバスの運転手
一日一本の必要がないバスのなぞ
などです。
その運転手さんによると、ノンステップバス(お年寄りでも苦労なく楽にバスに乗れるよう、車体を低くしたバス)ほど運転手の力量が問われるバスはないのだそうです。
その理由としては、ノンステップの場合、ドアを大きくしなければいけいため
前輪のタイヤの位置が通常よりも後ろに下がってしまうそうです。
その分、前輪と後輪のタイヤの距離が短くなるために、バスの前後のゆれが大きくなるということ。
そのために、少しでも急ブレーキなどを押すと、ゆれが激しくなり、運転手の力量が歴然とする、と。
親切心から生まれたであろう、ノンステップバス、しかし、そのおかげで揺れが激しくなっているという矛盾でした。
そして、バスの運転手さんは缶ジュースを買うことも許されないのだそうです。
それも、とあるバスの運転手さんが現金をネコババしたために、決められたルール。
つまり、バス会社の現金以外は持ち歩いてはいけないのだそうです。
そうすると、缶ジュースも買えない状況に。
そんな彼は、ジュースが飲める休憩時間が待ち遠しいと言っていました。
そして、東京でも見かける一日一本しかないバス。
なぜこのバスが運行されているの?
と思うようなルートのバスを見かけたことはありますでしょうか?
実はバスのルートを確保するためには、政府に申請をしなければならず、かなり複雑な手続きをふまなければいけないそうです。
そうなると、採算が合わなくても、一日一本でもバスを走らせルートを確保しておいたほうが結果的にプラスになる、との見込みでバス会社はそのルートを廃止しないそうです。
このような他業種の世界の話ほど面白いことはありません。
今まで見えなかった世界が見えてきます。
こんな話を生徒に伝えると、生徒は喜んで聞いてくれます。
大人の世界と、子どもの世界の橋渡し、それがわれわれ教育者の仕事でもあります。