無意識から意識へ:帰国生が陥る自己暗示 | みとのや先生日誌:元帰国生だから言える事

みとのや先生日誌:元帰国生だから言える事

アメリカオレゴン州、ワシントン州にある学習塾巣鴨アドバンススクール(www.sugamoadvance.com)で日々子供達と奮闘中です。

申し訳ありません。

どうしても納得いくものが書けず、金曜日に更新を怠ってしまいました。

今後も、週に3回のリズムで更新していく予定ですので、宜しくお願い致します。



私たちは常日頃、無意識で行動していることがあります。

例えば、運転です。

スピードを緩めたり、遠くの信号が赤くなったので、スピードを落とそう、など。

無意識というのは、自然な考えのもと行っているので、それを説明するときは苦労します。



先日、久しぶりに友人に運転を教えました。

友人が運転中のとき、指示を出すのですが、

はて、自分はいつもどうやって運転していたのだろうと考えてしまいました。

毎日行っている行動にもかかわらず、うまく表現できない。

全ては無意識のうちに運転をしているからなのです。


この無意識というのはどのように形成されるのかというと、毎日意識的に行動することで可能になります。

野球選手も、コーチから、ボールから目を離すな、と言われ、それを意識的に行い、繰り返していると無意識にできるようになり、

ピアニストは、何度も指を意識的に動かすことによって、それこそ自動的に何も考えずに、指を動かせるようになるのです。



この意識的なことから無意識層にまで行くには時間がかかります。

そして、この時間をかけて自分は劣等生なのだと暗示をかけているのが、英語ができない小学生や中学生の帰国生です。

彼らは日々、毎日のように自分に言い聞かせています。

自分なんて、英語ができない駄目人間なんだ、と。

先生もそれは分かっている。宿題なんかできていなくても、何も言われない。

僕は英語がしゃべれないから、と。

英語ができない帰国生にとって、このように現地校は自己否定を無意識にまでもっていくには格好の場です。


この無意識というところまで刷り込み去れた、自己否定。

これから脱出するためには、どうすればいいのか。


答えは、全く逆のことをやっていくことです。


意識的に自分はできるのだ、と言い聞かせなければなりません。

絶対になんとかする、絶対にできるようになる。

ただ、こればかりは、1人では難しいものがあります。

転んでも、泣いても、支えてくれる人が必要なのです。

結果がでなくても、やればできる、と信じてくれる大人が必要なのです。


私たち大人が、本当に子供の可能性を信じ続けることができるとき、彼らは必ずそれに応えてくれます。


こどもの無意識な自己否定に対抗するためには、大人が意識的に彼らを受け入れていくことが必要なのです。