塾選びのときに主導となるのは、大抵お母さんです。
お父さんは家に残り、
何をそんなにお母さんはあせっているのだろう
と思っています。
しかし、お母さん達は違います。
近所からさまざまな学校の情報などを得て、子供にとってどの学校に行くのが最適なのか、それこそ、「これで子供の一生が決まる」との思いで、真剣に学校選びをします。
ここ最近の中学受験もほとんどがお母さん主導のことです。
このお父さんとお母さんの意識の違いの原因はどこにあるのでしょうか?
実は、すべてはお父さんの得ている情報とお母さんが得ている情報に
違い
があるからなのです。
ほとんどのお父さんは、自分が昔通っていた公立学校のイメージを持っています。
厳しい先生がおり、さまざまな生徒、頭が良い子や、運動ができる子、けんかが強い子、とバラエティー豊かな生徒がいて、お互い認め合う公立学校を覚えているはずです。
しかし、今の公立はお父さんが持っているイメージとはかけ離れています。
一概には言えませんが、昔と今の違いの一例で言えば、優秀な生徒は公立学校を避けるように私立中学に行くようになりました。
2007年には受験者数も5万人を超え(首都圏)6人に1人が中学受験をする時代になりました。つまり、勉強ができる子というのが、私立中学に吸い上げられているのです。
昔と今の違い、それはその最優秀な学力の下の子たちにあります。
彼らもトップ集団の後を追い、私立中学へと流れて行きます。
だからこそ、子供の数は減少しているにも関わらず、中校一貫校の倍率が年々増え続けて行くのです。
そして、残された公立中学校では、全体的な学力は減る一方。
首都圏では、この現象は、かなり顕著になっています。
模擬テスト会社の意見では、今の高校受験の偏差値70が10年前の偏差値60程度の学力に値するとなっています。
ゆとり教育の影響もありますが、中学受験をした優秀な子が、高校受験用の模擬テストを受けていないために起きている現象でもあるのではないでしょうか。
トップクラスの子達がテストを受けなければ、ある程度の学力でも偏差値70とでてしまうのですから。
優秀な子が私立中学に吸い上げられてしまう今の首都圏。
そして、残された者が集まる公立中学。
こんな言い方はしたくないのですが、これが首都圏における中学校の現状なのです。
もちろん、なかには指導力のある先生がいる公立中学もあります。
そして、子供の将来は環境だけでは決まりません。
周りに自分の子供と張り合うだけの学力をもった友達がいなかったとしても、しっかり勉強できるかもしれません。
しかし、環境が、人の人格をつくるのに影響を及ぼすのは確かです。
周りの友達の価値観が学力に重きを置かれているのと、テレビ番組からの情報量に置かれているのでは、勉強量などに影響がでてくるのは必至です。
もし、お父さんお母さんで中学受験を話し合われるのであれば、まずは、お父さんがお母さんと同じだけの情報量をもつことをお勧めします。
地域の公立学校の実態を知り、
私立中学もとことん調べる。
そうすれば、お父さんにも、お母さんがあせる理由が見えてくるのではないでしょうか。