新藤兼人監督、最後の作品「一枚のハガキ」。秋田県内9カ所での上映会、最終日最終回… 観客は約200人ほど… ビックリしました… わたしの住む町に、こんなに人口がいたとは… 10分ほど上映開始に遅れちゃいました…(最後尾にドカッと座りました)
ちなみに、今日の午前中に書いたトリュフォーの「大人は判ってくれない」は、観客2名だったんです。その2名のウチの一人が途中退出…(あ~、ホントごめんなさいね~)
作品は、新藤監督らしく、ちょっとユーモラスに、そしてちょっとエッチに、でも戦争の悲惨さをガンガン訴えてくるような、軽い雰囲気で見せる部分と深く重く見せる部分とを、上手に演出しているって感じを受けました。「北斎漫画」とか「墨東綺談」のような作品しか知らないので、あまり詳しくなないのですが… 個人的には、ラストの麦穂の色がキレイだったのが印象的でした…(鮮やかな色でしたね~)
goo映画の作品解説から
日本最高齢(撮影当時98歳)の巨匠・新藤兼人監督自ら、「映画人生最後の作品にする」と宣言した本作。太平洋戦争末期に徴集された100人の兵士のうち、94人が戦死し6人だけが生きて帰った。その生死を分けたのは、上官が彼らの赴任先を決めるために引いた“くじ”だったという、新藤監督自身の実体験を基に作られた。
人の運命がくじによって決まり、兵士の死は働き手を失った家族のその後の人生をも破滅に向かわせる。そんな戦争の愚かさと不条理を、時に厳しく、時にユーモアを交えながら描く。新藤監督が自身を投影させた主人公役の豊川悦司と、愛する人を次々に亡くし、戦争への憎しみを生きる力にする女性を演じた大竹しのぶの好演にも注目。
大竹しのぶさんという素敵な?(凄い?)女優さんは、改めて語る必要もないと思いますが、この映画ほど激しく感情を表現したのも珍しいのでは…(あ、意外とよくあるか?) 戦争という大きな悲惨な出来事に翻弄される女性を、激しく演じていました。もう、すごい!の一言でよいかも…
くじ引きで生き残ったたった6人のうちの一人を演じた豊川悦司… その当時は、ものすごく恥ずかしい想いをして国に帰ってきたであろう、相当難しい役でしたね。「一枚のハガキ」を渡したら、その後は死ぬつもりだったのではないかと想像できますよね。
大杉漣さん、菜葉菜さん主演の「百合子ダスヴィダーニャ」とものすごくそっくりな役柄… 彼がセリフをしゃべったり、行動するだけで会場がどっと笑ってしまう… その存在感、なかなかでした…
新藤兼人監督の実体験をもとにしたこの映画、遺作として大いに尊敬に値する映画だったと思います。キネマ旬報では、2011年のベストワンの作品。前半を見逃しているのだけが心残りです…(ホントにごめんなさいね~)