息子が高校に合格した。
海の近くの高校で、湘南なんとかという高校である。

青春ドラマに出てきそうな学校だ。以前はガチガチのスポーツ高校だったが、今は名前を変え、知的体育会系に変貌している。

担任はたぶん松岡修造似のスポコン教師だろう。

で、どんな高校生活をおくるつもりなんだ?と息子に聞くと、「知るか」と一言。とことん愛想がない。

湘南なんとか高校なんだから、少しは想像できるというものじゃないかね、息子くん。
ということで、一年後の息子の高校生活における理想の1シーンを勝手に考えてみた。


担任の松岡はことあるごとに、

「今日は授業はやめて、海行くぞ」

と言う。まじめで一本木だが、無茶もできる先生が生徒に好かれると思っている。

その日、ある生徒が松岡になにやら相談しにやって来た。松岡はなぜかいつも浜辺にいる。

「先生、オレ彼女にフラレたんだ。もう死にたいよ」と、こぶしを砂に叩きつける。すると、松岡は生徒の肩に手を置いて

「わかった。だったら、オレも一緒に死んでやる。おまえひとりを死なせない」

「先生・・・」

あまりに大きく熱いハートに、生徒はわなわなと感動し、目にはうっすら涙が。それを見た松岡は、さらなる暴走のギアを上げる。

「死ぬ前にやることがある。あそこの島まで泳ぐんだ。それができれば、きっと君は大人になれる」

意味不明だが、島まで泳ぐという行為が生徒を奮い立たせる。松岡は、体育会系はこうした言葉に弱いと思っている。

そう言うと松岡は洋服を脱ぎ捨て、海に飛び込む。そして、生徒も海に飛び込む。

ふたりは遥か彼方の島に向かって泳ぎ続ける。いつしかイルカがふたりを追走する。数時間後、島まで泳ぎきった松岡と生徒は疲れ果て砂浜に倒れこむ。

「どうだ、今の気持ちは?」

「サイコーっす」

「これでもまだ死にたいか?」

「いいえ。おれ、絶対にバドミントンで優勝して、彼女を見返してやる」(優勝しても見返すとは思えないが)

「そうだ、その気持ちが大切だ」(見つめ合うふたり)

「はい、先生」

ふたりはひっしと抱き合うのであった。

とまあ、こんな感じが理想の高校生活と、私は思っている。くそー、今からでもいいから、湘南なんとか高校に入りたいぞー。

それにしても、バドミントンはいかがなものか。できれば、もう少し荒くれスポーツが良いように思うが。

もうすぐ中学生活も終わる。高校前に緊張感などまるでない息子は、勉強もせずにプレステなどに没頭し、たまに叱ると、

「受験が終わったら、勉強やる気がなくなった」と言う。

「まるで日頃やる気あるみたいだな」

「オレの中ではあるんだよ」

「見えないやる気か。いつか見えるようにしてくれ」

「そのうちね」

「う、、、」

中学生に軽くあしらわれ、すごすごと退散。自分もこんな感じだったのかと思うと、スガ婆に申し訳ない気がした。今度から、ウ●コ漏らしても優しく対応しようと心に誓った私なのでした。
新年があけて、はや3週間が過ぎ、いつの間にか息子がわが家に戻って来た。

今年は高校生になる予定だ。ついでに、メジロ夫婦は今冬も庭木に戻ってきてくれた。(超ラッキー♪)

息子は実は今週末が高校受験の面接日で、彼は少し緊張し始めている。

彼は日頃、スマホのゲーム三昧で夜ふかしばかりしている。

試験が近づくと「緊張する~」と言いながらスマホを手放さない。おまけに緊張しない方法をネットで検索するオバカなやつ。

親としては黙って見ていられない。そこで、ついに面接試験の練習をさせることにした。まず、教室に入るところから。

息子が扉をノックする。

「失礼します」と言って扉を開けた手にスマホが。

もう一度やり直しさせる。再度、一礼して椅子に座る。そして、受験番号、中学校名、氏名を言うはずだった。しかし、一礼をせず、受験番号を間違え、名前も間違えた。

「名前くらいちゃんと言えるようにしなさい」と、まじめに言ってる自分がマンガに思えた。

続いて自己PR。

「えー、中学では剣道部で3年間がんばり、クラスでは明るく前向きな性格からムードメーカーと呼ばれています」

「高校でも部活は続けますか?」

「はい、バドミントン部に入りたいです」

「は? 剣道は?」

「飽きた」

こいつはやばい。面接の意味をわかっていない。だが、時間がない。

「趣味や特技はありますか?」

「はい、ゲームです」

ほとんど落ちたも同然だ。

「ほかに何かありますか?」

「今は受験勉強が忙しく特にありません」と息子は大まじめに言う。私は、

「以前、習ってたのでもいいんだよ。ドラムスとか少林拳とか水泳とか。先週はジョギングもしてたよね。そういうこと言えばいいんだよ」

「あ、それ全部やりたくなかったんだ。気分的に口にしたくない」

息子の頭の中には受験という意識は薄いようだ。

「イヤイヤ習ってたのか?」

「そう。全部イヤだった。面倒くさい」

「だったらそう言えばよかったのに」

「言うのはもっと面倒くさかった。お母さんやおばあちゃんがうるさいから」

確かに私も彼女たちには手を焼いた。

一旦、面接の練習は終了し、息子の身の上相談的な時間へと変わる。

「おれ、プログラマーになって面白いゲーム作りたいんだ。今考えているゲームが何個かあって、友達に話したら、それほしいって言われた」

実際、話してくれたゲームはどれも面白そうだった。こいつはひょっとして化けるかも。

「それ、面接で言うなよ(アイデア盗まれるから)」そういう私の脳裏に、ゲームソフトの印税がちらつく。(ゲヘヘ)

「言わないよ。常識ないって思われる」

うっ、こいつ意外とまともか。(まともじゃないのはボク?)

私の頬に冷たい風が駆け抜けて行ったのは、気のせいだったのだろうか。気がつくと息子の冷たい視線が・・・・
早朝、スガ婆のケアを終えて自分の寝床に入ると、最近、ブログのネタがウ○コと動物しかないことに気づいた。(どんなタイミングじゃ?)

これは意図したことではなく、自分の身の回りで起きていることが、それしかないのだから仕方のないことだ。ということは、裏を返せば自分がウ○コや猫や鳥としか接していないということか。ウッ。

これって何だか怖い。いや、ひょっとしてこれって人生の大きな転機なのかも。それを乗り越えた時、人は大きな成長を遂げるのであった、みたいな。ウシシシ

と、にやけていた僕に目覚まし時計が、ジジジジと今にも絶命しそうな音を鳴らす。5時に鳴るはずが、6時に鳴るとは。これからは認知症時計と呼ぶことにする。昨日は全然鳴らなかったから、要介護3と認定する。

6時半になると、いつものように寝床を抜け出し、朝食の準備にとりかかる。

以前は、階段を下りる足音で、「バッ、寝すぎたバイ」と言って起き上がるスガ婆だが、最近はほとんど反応なし。

布団から下半身を直角にはみ出してアクロバチックに寝入っている。

「母ちゃん、朝だぞ」と、いつもの声掛け。

すると、

「バッ、はよ帰らんと」と、直ぐに言い返すが、1秒後には布団に潜って姿を消す。

「こらー、何してんだよ。起きろって」

「・・・・・」死んだふりをするスガ婆。

冬になると、起きるのが辛いのか、都合のいい行動をとるスガ婆なのであった。


最近、寒さのせいで汗をかかないためか、水の飲む量が少ない。いつものサラダとブルーベリージャムを塗ったパン、温かいトマトスープを7割ほど食べると、手をつけなくなり、朝食が終了。

その後、トイレに誘導しても、座っているだけ。あと5,6分もすればデイサービスの送迎車が来る。

仕方なく、トイレから連れ出し、ソファに座らす。と、プーンと鼻をつく臭いが。ゲッ、まさか。

紙パンツをチェックすると少量のウ○コが。急いで尻拭きセットを取り出す。(セット内容:ウェットティッシュ、ビニール袋、手袋)

そして同時にピンポーンとなる玄関チャイム。

「すみません、母がトイレに入ってしまって」

「じゃあ待ってますね」

笑顔で言うスタッフは気心知れたオバさんなので、こちらも気が楽だ。

スガ婆の下の始末をさっさと終えて送迎車に乗せる。わずかに漂うスガ婆のウ○コ臭は車内の老人臭と違和感なくミックスされる。そういえばクルマには換気扇がない。ひえー。

部屋に戻ると、床に鎮座しているウ○コを拭いたウェットティッシュ入りのビニール袋が、「お疲れさまっス」と僕の心に話し掛ける。

「いえいえ、君こそお疲れさま」とねぎらう。ただ、生まれ変わってもティッシュにはなりたくないとは、とても言えないのである。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今日こそはウ○コネタはやめておきたかったが、指先が勝手に動いてしまった。しばらく続きそうな予感が・・・
一人静かに物思いにふけり、パソコンと向かい合う日曜の朝。久しぶりの休日のまったりした時間を楽しんでいた。

と、突然、今まで寝ていたスガ婆が目の前を通りすぎて行った。(こうしてまったり時間は終った)

まるでこちらに気づいていないように、スガ婆の目はまっすぐ窓の外に向かっている。

「1、2、3」

何かを数えるスガ婆。(な、なんなんだよ)

やがて、じゅわーっと漂うあの臭い。書くのもおぞましいウ○コの臭いだ。

おいおい、朝漏らしたばっかりだろ? しかも大量に。しかも朝5時半に。なのにまたですかい?

「ウ○コババア」と叫ぶと、

「そうなんよ」と、いつものアルツな反応。

「よかったね、またウ○コの後始末できるじゃん」とでもいうように、僕を見るスガ婆。

「そうだね、ウ○コの始末は介護の醍醐味だからね、サンキュー カアちゃん」って誰が言うか。

それにしても、一体どうして朝2回もウ○コをしたのか。すこし考えてみよう。(考えたくねえ)

するとある食べ物が思い当たった。それは、最近よく朝食に出すバナナヨーグルトだ。

細かくちぎったバナナにヨーグルトを混ぜただけのものである。

普段あまり食べないヨーグルトとバナナを混ぜて食べさせたことが原因に違いない。

ゆるゆるのウ○コであることを考えると、おそらくお腹をこわしたのだろう。

バナナはビタミンが豊富で認知症によく、ヨーグルトは免疫力がつく、などという記事を読んで、つい食べさせたため「朝からウ○コ2回漏らし騒動」を引き起こしたのである。

最近、紙パンツの中でウ○コをすることが増えたのは、老いの進行によるものと思っていたが、この突然の食の変化が原因かもしれない。

ということで原因がわかれば、謎は簡単に解ける(はい?)

つまり、スガ婆は、

「あれ、ウ○コしたくなったバイ」と、布団から起きようとして腹に力を入れる。いつもなら硬いウ○コなので漏らすことはないが、ゆるいウ○コはスルスルっと腸からたやすく出てしまう。

その結果、

「あれ、ウ○コしたくないバイ。じゃ寝よ」

というのが真実だろう。しかし、謎が解けても、

「証拠はあるのか、コナン?」

というのが推理ドラマの流れだ。

今回の場合、証拠とは何か? (どうでもいい)

すこし考えでみよう。(いらねって)

頭以外は健康極まりないスガ婆であるから、お腹の変調はやはりヨーグルトとバナナのせいだ。

その証拠はもちろんウ○コの中にある!(げ)

ということで証拠探しはやめることにする。

今回、何が言いたいかというと・・・(それ先だろ)

普段食べ慣れてないものは注意しろということである。特に老人には。(普通すぎ)
朝早くから隣人夫婦の声で目が覚めた。

「あ、そっちよ、そっち」

「ピーちゃん、ピーちゃん」

その声で僕は、騒動の原因を知った。それは、今月2回目の脱走猫を追いかける騒動だった。

つまりこれは、隣人が飼っている猫のピーちゃんが逃げ出し、それを捕まえようとする夫婦の物語である。

ピーちゃんの正式な名前は知らない。とりあえずピーコ、たまにドラと僕は呼んでいる。老齢で丸々と太って、動作はのろい。

「また逃げたんですか、ピーコ」

窓を開けてオジさんに言うと、

「夏だからねー」と訳のわからない返事。

すると、ピーコがわが家の車の下に逃げ込む。

「お父さん、車の下にいるよ」と、オバさん。

オジさんが手を伸ばすと、サッと逃げ出し、別の場所に走るピーコ。すぐに追いかける二人。

老人と老猫の追いかけっこは、それから30分ほど続き、最後は遊び疲れたピーコが、

「あー面白かった」と、自分から家の中に入って終了した。

カンペキに遊ばれてる。

俊敏でもない老猫が、適当に追いかけっこを楽しんでいる。こ、こやつは・・

いつも家の中で飼われて、座布団の上で一日過ごすピーコは、時々こうやってストレスを解消している、と僕は思っている。

ピーコにとって、正直者でだまされやすい老人は、格好の遊び相手だ。

玄関ドアを開けると、必ずピーコがやってきて、スキをうかがっている。外に出ようと思えば、いつでも出る態勢でいる。

家の中に戻ると、スガ婆が窓にセミのようにへばりついている。

「ゲ、なにやってんだよ」というと、

「そうよ、そうなのよ」と相変わらずのボケぶり。

そういえば、スガ婆は88歳にもなって、体は丈夫で、いざとなればスキをみて外に出る。どこかピーコに似ている。平べったくてサンダルのような顔もそうだ。

最近、猫や犬も認知症になることが判明した。

ピーコがそうだとしても、誰も気づかない。人間でもそうだが、認知症は気づきにくい。

スガ婆は犬猫と同じ病気なのか、と感慨にふける休日の朝はこうして過ぎていった。