中国を中心に拡大している新型のコロナウイルスによる感染症について、政府は感染拡大防止に万全を期すべく感染症法上の指定感染症に指定しました。

コロナウイルスは、これまで6種類が知られていますが、通常の風邪等の症状に留まるものと、SARSやMERSなどの深刻な症状のものがあります。
今回のコロナウイルスは、新しく発見されたため、その性質はいまだ不明な点が多いですが、現時点で中国で約1万2千人の患者が確認され、約260人の方が亡くなっています。
中国以外では世界24か国以上で合計約127人の患者が確認されていますが、亡くなった方はいません。
昨日には新型コロナウイルスについて世界保健機関(WHO)が、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言しました。

我が国では、これまでに武漢での滞在歴がない2名を含め13名の患者が確認されていますが、今のところいずれの方も症状は安定又は回復しています。
日本は邦人保護の観点から世界で最も早く武漢からチャーター機を飛ばしましたが、帰国された566人全員の検査を実施しています。
3便のうち第2便までの状況では、症状はないもののウイルス検査の結果が陽性であった方が4名確認されています。

政府としては、感染拡大が進んでいることを踏まえ、1月21日と24日には関係閣僚会議を開催し、さらに30日には総理を本部長とし、全閣僚をメンバーとする対策本部を設置し、政府一丸となって対応しています。

まず水際対策の徹底です。
新型コロナウイルス感染症を感染症法上の指定感染症に指定しました。
感染者に対する入院措置や公費による適切な医療等が可能となるとともに、我が国に入国しようとする者が感染者である場合には、入国を拒否します。
さらに前例のない措置ですが、14日以内に湖北省における滞在歴がある、又は湖北省発行の旅券を所持する外国人については、感染が確認できない場合でも原則入国を拒否することとしました。
また、日本人渡航者・滞在者の安全確保に関しては、武漢市を含む湖北省全域の感染症危険情報レベルを3に引き上げ、渡航の中止を促しています。
武漢からチャーター便で帰国された方については、症状の有無にかかわらず、ウイルス検査を含む健康管理を徹底し、国が用意した施設等で2週間は外出を控えて健康状態の確認を継続し、健康面でのケアに万全を期していきます。
残りの希望者の帰国に向けた調整を進めています。

さらに、国民の皆様に対する迅速かつ的確な情報提供を行ってまいります。
新型コロナウイルスに関する基本的な情報や感染予防策、患者の発生状況などについて、官邸ホームページを通じて周知します。http://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/coronavirus.html
また厚生労働省にコールセンター(03 3595 2285受付時間 9時〜21時土日祝も実施)を設置しました。

国民の皆様には、風邪や季節性インフルエンザなどの一般的な感染症予防のためにも、手洗いやマスクの着用などの咳エチケットの徹底をお願いします。
政府としては、情勢変化を踏まえながら、国民の命と健康を守ることを最優先に、柔軟かつ機動的な対策を躊躇なく決断し実行してまいります。

令和2年2月1日
内閣官房長官
菅 義偉