昨年末、全世代型社会保障検討会議で中間報告をまとめました。
全世代型社会保障への改革は、今年の安倍内閣の最大のチャレンジです。

今の社会保障制度の根幹である「国民皆保険・皆年金」が実現してから60年近くが経ちますが、その間に平均寿命は約15歳も伸びました。
「人生100年時代」を迎えて、子どもからお年寄りまで、男性も女性も、みんなが安心できる全世代型の社会保障を構築していく必要があります。

まず取り組むのは子どもや若者への投資です。現在は、社会保障の中でも高齢者関係の給付が全体の7割を占めていますが、消費税率引上げによる税収約2兆円を用いて、昨年10月の幼児教育の無償化に続き、今年4月からは所得が低い方への大学・専門学校の無償化を行います。

そして、人生100年時代を見据え、意欲さえあれば70歳まで働くことができる生涯現役の雇用制度を実現していくための法案を明後日から始まる通常国会に提出します。
その上で、年金も、受け取り始める年齢を70歳を超えて選択できるようにするとともに、パートで働く方にも、広く厚生年金の適用を拡大することで現役世代の安心を一層確保する仕組みに改革していきます。

医療については、75歳以上の高齢者の一人当たり医療費は、若い人(0〜74歳)の一人当たり医療費の4倍となっています。
これまでの医療は病気の治療が中心でしたが、予防や健康づくりの取組へのインセンティブを強化し、健康に生活できる期間、健康寿命を延ばしていくことで、医療費、そして保険料負担を抑えていく。
同時に、一定以上の所得がある方には、年齢に関わりなく、ある程度のご負担をいただき、社会保障の支え手になって頂くことも検討していきます。

こうした方向で検討を更に丁寧に進め、今年の夏には検討会議で成案を得たいと考えています。
国民の皆様の幅広い理解を得ながら、令和の新しい時代を見据えて、あらゆる世代の方が安心して暮らすことができる「全世代型社会保障」を築き上げてまいります。