先週、天皇が広く国民に御即位を披露され、祝福を受けられる「祝賀御列の儀」が行われました。
秋晴れの空のもと、皇居から赤坂御所に至る沿道には、約11万9,000人もの人々が集まり、天皇皇后両陛下を祝福しました。
私も、両陛下を先導する車中から、沿道に幾重にも重なり、途切れることなく連なって御即位をお祝いする方々の姿を見て、ここに至るまでの道のりを思い起こして感慨無量の思いでした。

3年前の夏に上皇陛下のお言葉があり、国民的な議論が高まりました。
御退位による皇位の継承は、憲政史上初めてのことであり、伝統を大切にしながら、いかに今の時代に相応しいものとするか、
法律や式典、新元号など、多岐にわたる事柄について、多くの関係者のご尽力のもと検討・準備が進められてきました。

5月1日の御即位当日には、御即位に伴い剣璽等を承継される儀式である「剣璽等承継の儀」と、御即位後初めて国民の代表に会われる儀式である「即位後朝見の儀」が行われました。
10月22日には、191の国や国際機関等からの参列者を含む約2,000人が参列する中、御即位を公に宣明されるとともに、その御即位を内外の代表がお祝いする儀式である「即位礼正殿の儀」が厳粛かつ盛大に行われ、
その夜には、御即位を披露され、祝福を受けられる「饗宴の儀」が行われました。
当日は、即位礼正殿の儀の直前まで雨が降っていましたが、儀式の開始を待っていたかのごとく雨がやみ、雲間から陽光が差し始め、虹まで架かったことに驚き、感銘を受けた方も少なくないのではないかと思います。
翌日には、ホテルニューオータニ東京において、即位礼正殿の儀に参列するため外国からお越しいただいた外国元首・祝賀使節等に日本の伝統文化を披露し、日本の伝統文化への理解を深めていただくとともに、
来日に謝意を表するため「内閣総理大臣夫妻主催晩餐会」を行いました。
晩餐会の文化行事においては、狂言・歌舞伎・文楽の共演による「三番叟」と、能の「石橋」をお楽しみいただきました。

これらの国事行為等が、国民や世界の温かい祝福の下、滞りなく挙行できたことを大変嬉しく思います。円滑な挙行に御協力いただいた国民の皆様に、厚く御礼申し上げます。

また一昨日は皇居において、皇室の行事である「大嘗祭」の中心的儀式、「大嘗宮の儀」が行われ、私も参列いたしました。
「大嘗祭」は、皇室の長い伝統を受け継いだ、皇位継承に伴う一世に一度の重要な儀式です。
14日の夕方から15日の暁前まで長時間にわたる儀式でしたが、冴え冴えとした月の光に照らし出された大嘗宮において、厳粛な雰囲気の中で無事に行われたことは、大変良かったと感じています。

引き続き、天皇陛下の御即位に伴う一連の重要な皇室行事が続きます。また、来年4月には「立皇嗣の礼」も予定されており、政府においては準備に万全を期してまいります。