先月末、私、内閣官房長官が本部長を務めるサイバーセキュリティ戦略本部において、次期サイバーセキュリティ戦略を決定しました。

サイバーセキュリティ戦略は、3年前にサイバーセキュリティ基本法に基づいて策定され、
創設された内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)を司令塔として、公的機関、企業、個人などの対策を強化してきました。

現行戦略を決定して以降、サイバー空間と実空間の一体化が進んで様々な恩恵がもたらされている一方で、
サイバー攻撃により多大な経済的・社会的損失が生じる可能性が飛躍的に高まり、脅威は一層深刻化しています。
新たな戦略は、このような認識の下、今後3年間に取り組むべき施策を盛り込んだものです。

サイバーセキュリティに関する自律的な取組をすすめ、サイバー空間が持続的に発展していくよう、個人、組織の参加・連携・協働を進めるという基本的観点を取り入れています。
経営層の意識改革を推進し、サイバーセキュリティの「費用」から「投資」への転換を図るほか、脅威に対して事前に対策を講じる「積極的サイバー防御」を推進します。
さらに、2020年オリンピック・パラリンピック東京大会の成功とその後の対策も見据え、「サイバーセキュリティ対処調整センター」や、従来の枠を超えた官民による新たな情報共有・連携体制を構築します。
また、高度人材の育成、サイバー攻撃の検知・防御能力の向上に向けた研究開発、積極的な情報発信等、横断的施策を推進します。

国民の情報、財産を守り、利便性に資するような自由、公正かつ安全なサイバー空間を実現するために、不断の取り組みを進めてまいります。